今月末までプライベートブランド商品の値上げをしない旨を伝える張り紙=1日午後3時20分ごろ、イオンスタイル

 暮らしに欠かせない食品などの値上げが2022年中で1万品目を超える見通しとなり、群馬県内消費者は家計を心配し、ため息を漏らす。小売店は消費意欲の低下を懸念し、プライベートブランド(PB)の商品価格を据え置くなど顧客を離さないために躍起だ。値上げを決めた県内関係企業からは、原油高などによる生産流通コストの上昇を背景に、理解を求める声が上がっている。

 前橋市に工場を持つサンヨー食品(東京都)は1日出荷分から、袋麺やカップ麺の希望小売価格を約10~12%引き上げた。袋麺「サッポロ一番みそラーメン」は税抜き111円から123円になった。担当者は「自助努力だけでは吸収できない」と理解を求めた。

 館林市に主要生産拠点を置くアサヒ飲料(同)は主力の「三ツ矢サイダー」「十六茶」など163品目で10月1日出荷分から4~16%程度引き上げる。三ツ矢サイダー500ミリリットル入りペットボトルは20円高い160円に。「高品質な商品を安定的に提供するため、やむを得ない。引き続き企業努力も進める」とした。

 両社とも、原材料費の高騰や原油高などで生産・流通のコスト全般が上昇したと説明している。

 こうした傾向が全国に広がる中、イオンモール高崎(高崎市)内のスーパー「イオンスタイル」はPB5千品目の価格を6月末まで据え置く。物流の効率化や販売量の拡大で実現したという。担当者は「今のところ業績に影響はないが、所得が増えなければ消費マインドは今後冷えかねない」と分析。4日から宅配事業を強化することを決めていて、需要をしっかりとカバーする考えだ。

 1日に買い物に訪れた前橋市富士見町の会社員、竹花志緒理さん(23)は「より値段の安い商品を選ぶようになった」と明かす。育児で忙しい時によく食べるカップ麺やパンの価格が5月ごろ上がったと感じた。

 高崎市下豊岡町の主婦、猪瀬沙耶香さん(37)は「野菜も含め、いろいろな商品が高くなった。安い店を開拓したい」と話す。主に酒類を買った渋川市有馬の男性会社員(47)は「(酒類が値上げしても)仕方ないと思う。これからも買う」と諦め気味だった。

 ロシアのウクライナ侵攻に伴う液化天然ガス(LNG)の高騰などを受け、電気やガスの料金も上昇している。東京ガスによると、県内では平均的な家庭で6月分の使用料金が前月比15円増える。7月分は前年同月に比べて1割以上増える計算になる。東京電力パワーグリッド群馬総支社は、現在起きている燃料高が3~4カ月後に料金に反映されるとの見通しを示した。