日本の温泉文化を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録しようという動きについて、山本一太群馬県知事は2日の県議会本会議で、「全国屈指、日本一の温泉大国である群馬にとって非常に意義のある話。簡単ではないが、本格的に取り組んでいきたい」と述べた。今後、全国の知事に働きかけるほか、国会議員や関係団体に協力を求め、キャンペーンを盛り上げる意欲を示した。

 県内の温泉関係者が全国の関係者と登録の意義を共有する機会が6月中に予定されていることもあり、日本固有の宝を守り、魅力を発信する「群馬発」の機運が一層高まりそうだ。

 県は、日常生活から離れて心と体を癒やす「リトリート」の聖地を目指しており、温泉地に恵まれた本県を長期滞在型の観光地として売り出す方針。山本知事は「温泉は群馬のキラーコンテンツ。(登録に向けた)キャンペーンは、大きな原動力になる」と強調した。

 一方で、①温泉文化の定義付け②国民が納得する理由の整理③政策実現のための体制づくり―といった課題を指摘。「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産登録に至った経緯を研究するなど、県としても戦略を練り直していく考えを示した。

 県議に対しても都道府県議会に働きかけていくことを求め、「力を合わせ、(登録を)実現できるように一緒に頑張っていきたい」と力を込めた。

 2日の一般質問で、萩原渉氏(自民)に対して答弁した。

 温泉文化を巡っては、2018年に県内の旅館・ホテル、観光、自治体関係者が集まって登録推進協議会を発足させた。これまでに登録の意義を確認する研修会などを開いている。

 県議会での知事の答弁について、高崎商科大の熊倉浩靖特任教授は「温泉県の群馬から運動を盛り上げるため、知事が旗振り役を表明した意義のある発言」と評価する。また、全国で賛同者を増やし、国民運動として盛り上げていくことが必要だと指摘した。