エネルギー価格の高騰など世界的な物価高に対応するため、山本一太群馬県知事は2日、30億8千万円を増額する本年度一般会計5月補正予算案を県議会に追加提案した。厳しい経営を強いられる中小事業者の前向きな投資に最大40万円を支給するなど、苦境にある事業者、農家、家庭への支援策を盛り込んだ。山本知事は同日の本会議で、事業者支援について「業種にとらわれず、中小事業者の自主的な取り組みを後押しし、地域経済を回していきたい」と述べた。

 県内の中小事業者で一定期間の経費(燃料費など)が直近3年で比べて1割以上増え、売り上げも1割以上減った事業者を対象に、「新ぐんまチャレンジ支援金」を支給する。新型コロナウイルス対応や省エネ、業態変更、新事業展開といった前向きな投資に法人で最大40万円、個人で最大20万円を補助する。7千件分の予算として20億8300万円を計上した。

 最先端技術を使った新しいビジネスモデルの構築を目指す企業や大学を支援する「デジタルイノベーション加速化」事業も展開する。複数の企業や大学が関わり、人工知能(AI)やロボットなどを活用したプロジェクトに最大3200万円(補助率3分の2)を補助する。6件の採択を想定し、2億300万円を予算化する。

 配合飼料価格の高騰で悩まされる畜産農家に向けては、価格安定のため多くの農家が加入する「配合飼料価格安定制度」の経費を補助。事業費5億100万円を予算化し、農家の負担軽減を目指す。

 また、製材工場から出る二酸化炭素(CO2)の削減を目指し、木くずを燃料にした木材乾燥装置の導入費用の半額(最大1千万円)を助成する。燃料を灯油から木材に代えることで高騰する燃料費の削減も狙う。

 国の就学支援制度から外れた家計急変世帯の学生を対象に、県立2大学の授業料4分の1を免除する制度を継続させ、経済協力開発機構(OECD)が行う国際調査研究に参加する費用8700万円も計上した。

 政府の緊急対策として、低所得のひとり親世帯に児童1人当たり5万円を支給する事業や、国産小麦の生産性向上のための事業などの経費も盛り込んだ。財源には地方創生臨時交付金など国庫支出金を活用する。追加提案で5月補正予算案は計43億7100万円となった。