パワーセンターうおかつ榛名店で、握力を測る買い物客

 高齢化が著しい高崎市の室田、倉渕両地域で住民の健康寿命を延ばそうと、榛名荘病院を運営する一般財団法人榛名荘(笛木敬介理事長)は2日、地元のスーパーに握力計を置き、買い物客に握力を測ってもらうプロジェクトを始めた。筋力が衰え、けがをしやすくなる状態「サルコペニア」の疑いが生じる握力の基準を掲示し、筋力低下の防止につながる食品を摂取する必要性に気付いてもらう。協力する店側も、買い物客の健康は利益につながるとして相乗効果を期待している。

 握力計を設置したのは同市中里見町のスーパー「パワーセンターうおかつ榛名店」。休憩スペースに握力計2台を置いた。男性は握力が28キロ、女性は18キロを下回るとサルコペニアが疑われるため、タンパク質が多く含まれる肉類や鶏卵などの食品の例もポスターで紹介。買い物に出かけ、測定によって行動変容を促す循環をつくり、自らの健康維持に結び付ける。地域の健康増進を目指す事業「はるな地域サポート隊」の一環で、期間は1年間を予定している。

 市によると、2020年9月末時点の市の高齢化率28%に対し、倉渕地域は47%、室田地域は44%と大幅に高い。

 同法人が運営する榛名荘病院は両地域の住民を中心に医療を提供しており、握力計の設置は理学療法士の塩浦宏祐さん(34)が発案した。入院患者に入院前の生活を尋ねたところ、大半は週1回から月に1、2回、同店を使っていたという。店が住民の生活を支えていたと考えて設置を持ちかけ、同店を運営する「カルチャー」が快諾した。

 「店内で測定すればすぐに購入に移れる。その日のうちに食品を摂取し、実行に直結するところが魅力」と塩浦さん。「握力は健康寿命のバロメーター。元気で笑顔に暮らしてもらいたいので多くの人に測ってほしい」と呼びかける。

 初日の2日は買い物客が早速、握力を測定。左右の結果が21キロと22キロだったケアマネジャーの伊藤さゆりさん(61)=同市=は「仕事柄、タンパク質の摂取や運動の大切さをお年寄りに伝えていたが、自分ができていなかった。これからは意識したい」と話した。同店の松島浩三店長(56)は「お客さまが健康を保ち、買い物に来てくれれば利益につながる。地元のスーパーとして地域と共存していきたい」と取り組みを歓迎している。