研修を終えて就農した(左から)中島さん、戸高さん、中村さん

 群馬県中之条町六合地区の草花ブランド「六合の花」の生産者として、町外から移住してきた男性3人がこの春に就農した。3人とも新規就農研修を受け、2020年から町の認定農業者の下で栽培や農地経営の手法を学んだ。都内の生花市場で高い評価を受ける花の産地を支える新戦力として期待がかかる。

 前橋市粕川町生まれの中島正篤さん(33)は都内で会社員をしていたが、農業を志して中之条町に移住。20年秋から研修を受け、独り立ちした。同町暮坂に約5千平方メートルの農地を借り、オランダセダムやアルケミラなど、先輩農家から株分けしてもらった約20種を植えた。

 中島さんは「全てが自分の責任。あと2時間は畑にいればよかったと不安になる夜もあるが、今は1人で作業ができることが楽しい。お客さんに信頼してもらえるようになりたい」と話す。5月下旬に初出荷した花に値段がつき、ひと安心したという。妻や娘と過ごす時間も大切にしながら、一人前の生産者を目指す。

 都内の大学に通っていた千葉県柏市出身の戸高研介さん(24)と中村魁士さん(24)は3歳からの幼なじみ。六合の花に興味を持ち20年春に同町へ移住した。町の就農研修で初めて採用された新卒でもあり、2年の研修を経て独立した。

 同町暮坂と日影に2人で計1ヘクタールの畑を借りてフジバカマ、フロックスなど60種類ほどを栽培する。戸高さんは「作業の流れは研修の2年間で把握したけれど、自分で育てるとなると分からないことが出てくる。数や大きさをそろえるのも難しい」と話す。

 2人は23年中にも農業法人を立ち上げる方針で、将来は育てた花の小売りを手がけ、ドライフラワーも販売する夢がある。最近は2人の幼稚園時代からの友人が六合地区に移住して農作業に加わっており、中村さんは「もっと仲間を巻き込んで都内に店を出せたら」と展望する。

 六合地区は人口減や高齢化が進んでいることもあり、町農林課は「若い生産者であると同時に地域コミュニティー維持にも一役買っている」と定着に期待している。