「子育て・女性健康支援センターの電話相談です。どのようなご相談でしょうか。お話しいただけますか」

 当会は、安心して子どもを産み育てられるよう子育て支援の一環で、助産師による無料の電話相談事業に取り組んでいます。日本助産師会のモデル事業としてスタートしたのが1998年。県の委託事業を経て、現在は当会の自主事業として実施しています。

 妊娠・出産・子育てや自身の健康、家族との人間関係など、お母さんや家族からさまざまな相談が寄せられます。「子育て」「女性」の名称ですが、思春期特有の体と心の変化に悩む男の子や、その家族からの相談もあります。

 少子化や晩婚化、個人情報保護を理由とした地域のつながりの希薄化など、孤立しがちな社会の中で子育てをしている人たちがいます。また、インターネットや携帯電話の普及でかえって情報があふれ、どの情報が今の自分に必要なのか検索すればするほど不安が増してくることがあります。長引くコロナ禍は、他人との接触に慎重にならざるを得ない状況をつくり出してしまいました。

 孤立しがちな現代社会で、名を明かさず隣人的な感覚で気軽に相談できるこの事業は、子育て不安の解消、虐待防止に役に立っていると自負しています。

 電話相談は月・水・金曜の午後1~4時に受け付けています。相談日以外では当会の事務所で対応しています。母子手帳と同じ大きさのチラシを作り、助産師の訪問指導の際や手帳の交付時に渡したり、保健センターをはじめとする行政の窓口や出産関連の施設、小児科などに置いてもらったりしています。インターネットで検索して相談してくる方も増えています。

 相談を内容別にみると、母親の身体面や精神面などに関わるもの、母乳育児に関するもの、新生児、乳幼児に関するものが合わせて60%程度です。社会的問題を抱えている相談や、育児不安が強かったり、虐待につながる可能性があったり、今後の経過観察が必要な相談があります。

 内容によって、より専門的な窓口で対応した方が良いと判断した場合は、他機関や他の電話相談を紹介することもあります。継続した支援が必要と考え、相談者の了解を得て地域の保健センターにつなぐケースもあります。

 助産師の相談で全ての悩みの解決糸口を見いだせるわけではありません。気軽に相談できる入り口となり、必要な窓口につなげていければ良いと考えています。

 近年特に、相談内容が多岐にわたってきています。定期的に開催している打ち合わせ会議は、そうした情報を共有し、対応の是非を検討する機会になっています。今後も母子とその家族を支援するために、本事業の発展を図りたいと考えています。

 【略歴】助産師として35年活動。1996年、伊勢崎市内に出張型の助産院を開業。2020年8月から現職。群馬大医療技術短期大学部専攻科助産学特別専攻修了。

2022/6/6掲載