花壇に花を植える参加者。学生が住民から手ほどきを受ける場面もあった

 ふかふかの土に植えた花が、初夏の風を受けてうれしそうに揺れた。

 「この場所、結構みんな見るの」「今年は元気に育てたいね」。道路に面した広瀬団地(前橋市)の花壇。花の根に土をかけながら、住民の女性が土田裕喜さん(4年)に声をかけた。土田さんは「自分たちだけでなく、住民の方と一緒に活動していきたいんです」と、熱っぽく応えた。用意したニチニチソウやマリーゴールドなど190株を、手分けして四つの花壇に植えた。

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 5日開かれた花とサツマイモを植える交流イベントには約20人が参加。学生や団地住民、プロジェクトに加わる家具販売のスタイル(伊勢崎市)の関係者、新聞の告知記事を見て来た人もいた。

 団地の回覧板でイベントを知り、夫や子ども2人と参加した本木紗緒里さん(31)。昨年のサツマイモ植えも体験し、良い思い出になったという。「土に触れる機会はあまりない。子どももとても楽しそう」。長女の芙実ちゃん(2)が、小さなじょうろでサツマイモの苗に水やりをすると、参加者に笑顔が広がった。

 春から団地内のシェアハウスに住む1年の坂井利彰さんにとっても、充実した時間になった。住民とあいさつはするものの、深く交流する機会はなかった。「きょうは花の植え方を教わったりして。交流できて良かったです」

 地域の人たちから、学生の活動はどう見えているのだろう。民生委員を務める古稲はる代さん(70)は、「地区の役員さんだけでなく、今日はいろんな人が参加してくれている。こういう接点ができるといい。若い人の活動、頼りにしてます」と期待を寄せた。

 どんな花が良いか、サツマイモはちゃんと育つか、住民への周知はどうするか。さまざまな課題を乗り越えて無事に当日を迎えられた。サツマイモ畑では数日前、全体を覆った農業用ビニールに雨水がたまるトラブルもあったが、水はけ用の穴を開けて改善した。

 親子連れからお年寄りまで、参加した住民が楽しむ様子に、学生たちは手応えを感じた様子だ。「思ったより多くの人に参加してもらえた。告知を工夫して、活動をもっと広げていきたい」。世代を超えた参加者の笑顔に、斎藤なる美さん(4年)は力強くうなずいた。

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 「ローテーション、また相談させてください!」。イベントが一段落した後、土田さんらが地元区長の金子博元さん(75)と話していた。当初は学生だけでやるつもりだった花の水やり。金子さんに相談したところ、住民も協力してくれることになったという。

 学生も住民も主役の新しいコミュニティーが少しずつ動き出している。