碓東大橋を渡る「赤ガエル」=5月25日午後9時40分ごろ、安中市岩井

 「赤ガエル」の愛称で親しまれたレトロな鉄道車両が5月下旬、展示されていた長野県須坂市の施設から、製造元の総合車両製作所(横浜市)へ里帰りした。トレーラーに載せられ一般道を4日間かけて移動し、25日夜には群馬県の国道18号、17号を通過。誘導車や部品を運ぶ大型トラックとともに夜の上州路を走り抜けた。

 同製作所の前身、東急車両製造が1956年に製造した旧5000系車両。80年に長野電鉄に譲渡され、現在の赤とクリーム色に塗り替えられ97年まで活躍した。引退後は須坂市の鉄道模型博物館が所有、展示していた。

 車両は航空機の製造技術が生かされ、新幹線に至る鉄道車両の軽量化の先駆けとされている。資料的な価値が高いため、同館の閉館に伴い同製作所が引き取り保存する。

 車両は27日未明に工場に到着した。鉄道車両のほとんどは引退すると解体される。「赤ガエル」の運搬に同行した同製作所の子会社、J―TRECデザインサービスの鈴木久郎さん(安中市出身)は「さまざまな縁が重なって大切に保管されてきた車両を今後も大切にしたい」と66年ぶりの里帰りを喜んだ。