互いを褒め合い、満面の笑みを見せる長野さん(左)と生形さん
ミュージカル「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の一場面

 劇団四季のオリジナルミュージカル「ロボット・イン・ザ・ガーデン」(上毛新聞社など主催)が23、24の両日、前橋市の昌賢学園まえばしホール(市民文化会館)で開かれる。主人公と旅に出るロボット役に、群馬県伊勢崎市出身で小中学校の同級生という同劇団の俳優、長野千紘さんと生形理菜さんがWキャストに抜てきされた。2人は「この作品が、たくさんの人の心に響きますように」と願いを込める。

原作は人気小説

 原作は英作家、デボラ・インストールさんの同名人気小説。両親を亡くし心に傷を負った男性、ベンと庭に突如現れた壊れかけのロボット、タングの旅物語。トラブルだらけの旅路で、さまざまな人に出会い、大切なことに気付いていく。同劇団と外部のクリエイターが協力し、心温まる感動作品が完成した。

 稽古はコロナ下の2020年夏に始まった。「当たり前にできる舞台ではないからこそ、成功させたいという思いを全員が持っていた」と長野さん。生形さんは「脚本から音楽、ダンス、演出、どれが欠けても完成しなかった」と思いを話す。

 2人はロボットのタングを通称パペットと呼ばれる操り人形で演じる。2人一組みで、1人が頭と右手、もう1人が胴体と左手をそれぞれ操作する。長野さんと生形さんはいずれも頭と右手を担当する。

 客から「抱き締めたくなった」「家に持ち帰りたくなった」といった声が寄せられるなど、タングの人気は高い。生形さんは「物語が進むにつれて、観客がタングのことを好きになっていくのを肌で感じる」と語る。

互いに成長

 伊勢崎の小学校の低学年時に同じクラスだった2人は、肩を組んで撮影した写真が残っているなど仲が良かった。長野さんは太田女子高、生形さんは前橋女子高と別々の高校に進学したが、ともに音楽部に所属しミュージカルに没頭。2人は「勉強よりも部活だった」と口をそろえる。

 大阪芸術大でミュージカルを学んだ長野さんと、群馬大教育学部美術専攻に通いながら、県内の劇団で活動した生形さん。それぞれの道を歩んでいた2人は大学卒業後、偶然の再会を果たした。

 「うわあ、長野千紘!」。同劇団の研究生オーディションの会場で遭遇。長野さんに気付いた生形さんは、思わずフルネームを叫んだ。長野さんは「まさか、うぶちゃん(生形さん)がいるとは。落ちたら恥ずかしくなると思って、声をかけなかった」と振り返る。

 高倍率のオーディションに2人は見事合格し研究生の同期に。1年間のレッスンなどを経て劇団員になった。

 日本を代表する演劇集団で活躍する同級生の2人。お互いについて、長野さんは「身内のように感じる。とても尊敬している心強い存在」、生形さんは「不思議な縁を感じる。これからも互いの存在がそれぞれの成長に役立てばうれしい」と話す。

 地元群馬での公演に向け、「自分を肯定してくれる作品。頑張るための一歩をつかんでほしい」と長野さん。生形さんは「日常のささやかな幸せに気付ける作品」と紹介し、来場を呼びかけている。

 23日が午後6時半、24日は同1時半開演。S席9900円、A席6600円。B席は両日完売。問い合わせは同劇団全国営業部(☎0570-008-110)へ。