子どもの教育に生かそうと、群馬県は今年から来年にかけて、経済協力開発機構(OECD)が子どもの「社会情動的スキル」に関して行う国際調査「SSES」に参加する。好奇心や社交性、ストレス耐性といった学力以外の能力を分析する内容で、県によると、日本からの参加は群馬県が唯一となる。急速なデジタル化など未来の予測が難しくなる中、広い視野を持って周囲の人と協調し、物事をやり遂げる能力の指標作りに協力することで、ノウハウの蓄積を目指す。

 本年度の事業費として、県は一般会計5月補正予算案に8700万円を計上。6日の県議会本会議で関連する質疑が行われ、山本一太知事は「国際機関の新しい基準作りに参加して得られる情報や知見、ノウハウを県の教育施策に生かしたい」と強調した。

 OECDは読解力や科学力、数学力を測る「PISA(学習到達度調査)」を3年に1度、世界的に行っている。SSESは予測不可能な世界に対応するための能力を測る狙いがあり、2016~19年の第1次調査には9カ国が参加し、群馬県が参加するのは第2次調査。「広い視野」「他者との交流」「他者との協働」「作業の能力」「情動の抑制」の5要素を軸に多角的に調べる。

 高校1年に相当する15歳の子どもが主な対象で、群馬県では9月から15校で実地試験を行う。「新しいことを学ぶのが好きか」「緊張した状況でも落ち着いていられるか」などを90分間に多数質問し、5段階で評価。結果を受け、各国の文化などの影響を取り除いた本調査が設計される。23年4月からの本調査には75校が参加する。

 県教委と群馬大、県立女子大が調査に関わる。県が育成を目指す、自ら考え、行動する人材「始動人」の評価指標としてSSESの活用や応用ができないか検討する。

 県が始動人の育成や「STEAM教育」といった多角的な視点での教育に力を入れていることを知ったOECD側から、参加の呼びかけがあった。