子育て支援策を拡充する一環で、群馬県太田市は13日、小中学校の給食費を無償化する方針を明らかにした。10月から中学校、来年4月から小学校で適用する。人口20万人以上の規模の自治体が完全無償化に乗り出すのは県内で初めて。市は、コロナ下や物価高騰などの影響で家計が圧迫される子育て世帯の負担軽減を目指す。

 同日開会した市議会6月定例会本会議で、清水聖義市長が意向を表明した。

 市によると、市立太田中を除く全ての公立小中学校と義務教育学校で給食を導入しており、1人当たりの給食費は年間で小学生が4万8400円、中学生が5万8300円となっている。市内の小中学生は約1万8000人。無償化は給食費助成を受けていない第1子約1万人が新たに対象となる。第2子以降については昨年度から、申請があれば全額助成している。

 完全無償化に伴い、市の負担増は小中学校で年間5億円規模になる見通し。

 財源として市は、2020年末の市街化再編(約200ヘクタール)に伴う固定資産税の増収分約2億円や、市立幼稚園4園の民営化で約1億5000万円、今後予定される下水道料金改定で見込まれる約2億円の増収分を充てる。

 財政調整基金や土地開発公社から還元される予定の収益金なども活用する。

 私立や市外の小中学校などに在籍する場合は、第2子以降の助成と同様に市立小中学校の年間給食費の相当額を「太田市金券」で支給する方向で調整する。

 市議会9月定例会に、中学生の半年間の無償化分約1億円を盛り込んだ補正予算案を提案する予定。未就学児の給食費については現在第2子以降を全額助成しているが、新たに第1子分も含めた完全無償化を来年度以降に実施する方向で検討している。

 市は21年度以降、高校生世代の医療費無料化や第2子以降の給食費の全額助成などを進めてきた。清水市長は13日の市議会本会議で、物価高騰などで家計が圧迫されているとして「ベーシックなサービスを行う上で給食は医療と同じように大切。できる限り早く実行に移したい」と述べた。

 県によると、小中学校の給食費を完全無償化している県内自治体は21年9月1日時点で、渋川、みどり、上野、神流、下仁田、南牧、中之条、長野原、嬬恋、草津、東吾妻、板倉の12市町村となっている。