昭和から現役のレトロ自販機や、スイーツの人気店を集めた最新機、山あいにあるポツンと自販機まで。群馬県には面白い自販機がたくさんある。高崎市の企業が運営する専門サイト「自販機をさがせ!」に掲載された中から5カ所を厳選。あなたの身近にもきっとある。ここだけの自販機体験に出かけてみよう。

なつかしチャーシュー麺 ドライブイン七輿(藤岡市)

お金を入れてボタンを押すと、「調理中」のランプが点灯。できあがりまで待つのも楽しい

 藤岡市内の県道を脇道に入ると、「ななこし」と書かれた青い看板が目に入る。広い駐車場に、自販機コーナーとゲームセンターが一体になった建物。1975年開業のドライブイン七輿だ。
 店を切り盛りするのは木村清さん(74)、ふじ子さん(71)夫妻。自販機はどれも年季が入っているが、大切にメンテナンスしていて元気に稼働している。
 特にファンが多いのがチャーシュー麺(350円)。お金を入れてボタンを押すと、麺を2回湯通ししてスープを注ぎ、熱々を提供する仕組み。2時間かけて仕込むチャーシューと、ネギやメンマやワカメ。あっさりした正統派のラーメンだ。
 木村さんは「開店から四十数年、無我夢中だった」と振り返る。新潟県湯沢町から友人らと訪れた上村太一さん(46)は「地元ではもう見られない懐かしい自販機ばかり。店の雰囲気もたまらない」とうれしそうだ。

こんな商品も 天ぷらうどん・そば(350円)、ハムトースト(250円)
住所 藤岡市上落合853
24時間営業、無休
最寄り JR群馬藤岡駅、上信越道・藤岡IC

天ぷらうどん 全国にファン 丸美屋自販機(みどり市)

当たり付きのうどん、そばが人気。客が感想を書くノートは80冊を超えた

 みどり市の国道122号を日光方面へ進むと、右手に現れるのが丸美屋自販機だ。こちらもレトロ自販機が健在で、全国から多くの人が訪れる。
 一番人気は天ぷらうどん(250円)。山菜や野菜のかき揚げのほか、エビの天ぷらが入った「当たり」もある。ハムチーズトースト(200円)もお薦め。
 経営する斉藤栄さん(63)によると、コンビニに押されて客が減った時期もあったが、珍しいレトロ自販機と遊び心のあるメニューが受け、10年ほど前からメディアでたびたび取り上げられるようになった。
 斉藤さんは妻の美由紀さんと近くでレストランを営み、一日に何度も往復して商品を補充。24時間営業で、機械が故障すれば夜中も駆け付けるなど大変な面もある。それでも、「今までどおり『早い、安い、おいしい』をモットーに、お客さんに喜んでもらえるような店にしていきたい」と話す。

こんな商品も ひもかわうどん(250円)、チャーシュー麺(300円)
住所 みどり市東町花輪1966-11
無休、24時間営業
最寄り わたらせ渓谷鉄道花輪駅、北関東道・太田藪塚IC

スイーツ名店食べ比べ 太田市役所(太田市)

多彩な商品が並ぶ太田市役所の自販機。イオンモール太田にも設置している

 太田市役所1階の休憩スペースに2年前、市内にある和洋スイーツ店の品を集めた自販機が登場した。専門店の味を好きな分だけ「ちょい買い」できるのが特徴だ。
 人気店「Yoko's Cookies」のバターソルトやチョコチップのクッキー(各250円)や、和菓子店「峯岸大和屋」のあんバターどら焼き(150円)などが売れ筋。商品は毎月リニューアルし、約40種類置いている。補充しても、その日のうちに売り切れてしまう商品もあるという。
 設置している自販機は「弱冷」「冷蔵」という二つの温度で商品を保てる機種で、幅広いスイーツを扱えるという。

 運営するサンセイ商事(太田市)の担当者は、「お客さんと事業者をつなぎたい。この自販機で買ったのをきっかけに、実際のお店にも足を運んでもらえれば」と話す。

こんな商品も プルミエの生チョコタルト(220円)、あんどうの定四郎ポテト(200円)
住所 太田市浜町2-35
市役所の開庁時間は平日8時半~17時15分
最寄り 東武太田駅、北関東道・太田桐生IC


可愛いうずまきウインナー 近藤スワインポーク(前橋市)

直売店前に設置した自販機。アウトドアへ向かう際立ち寄る人も多い

 赤城山の麓、群馬県馬事公苑の近くに、家族経営の養豚業、近藤スワインポークが置いている自販機がある。自慢の豚肉で作ったウインナーやハムなどを冷凍販売している。
 お薦めは豚の尻尾のようなうずまき形のウインナー「前橋ころとんのしっぽ」(2個、1000円)。肩ロースやバラ肉、ころとんのしっぽが入ったバーベキューセット(1100円)は、アウトドアへ向かう人に人気だ。
 子どもも安心して食べられるよう、食品添加物を使わない商品作りにこだわっている。養豚に専念するため、直売店は週2日しか開けられないが、自販機なら毎日販売できると昨年11月に設置した。
 社長の近藤崇幸さん(43)は「赤城山で育った豚肉のおいしさを楽しんでほしい」と呼びかける。

こんな商品も 熟成生ハム(800円)、ロースの糀漬け(1600円)
住所 前橋市富士見町皆沢73
無休、24時間営業
最寄り 関越道・駒寄スマートIC

キャンプにもお土産にも エムラボ(上野村)

子どもも食べやすいレトルト食品が並ぶ

 人口1100人余りの上野村。山あいの国道299号沿いに、「自販機」と書かれた赤いのれんが風に揺れている。
 コンビニのない上野村で、24時間稼働している「ポツンと自販機」だ。シイタケなどを使ったきのこカレー(600円)や、イノブタのもつ煮(700円)など、上野村産の食材を使ったオリジナルのレトルト食品を販売している。 
 再生可能エネルギーの普及事業を手がける企業「エムラボ」が昨年7月、事務所に設置した。社長の三枝孝裕さん(41)は「コロナ下の中、非対面でもおいしいものを提供できないかと考えた」と紹介。キャンプなどで村を訪れた人が買い求めるほか、地元土産として購入する住民もいるという。

こんな商品も イノブタのキーマカレー(600円)、まいたけおこわ(600円)
住所 上野村勝山696-3
無休、24時間営業
最寄り 上信越道・下仁田IC

 この他にも、ユニークな自販機は各地に点在している。全国の自販機スポットを紹介しているウェブサイトを立ち上げた会社を取材した。

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