自販機を通じて、「事業者の応援、地域貢献をしたい」と話す船越谷さん

 金魚、クルマエビ、ペットのうんち袋…。ユニークな商品を扱う自販機が増加中だ。全国400カ所に上るこうした自販機スポットを掲載しているウェブサイトが「自販機をさがせ!」。くだけた名前に趣味のサイト?と思われそうだが、高崎市の駐車場管理会社がれっきとした事業として運営しているという。社長の船越谷ふなこしや尚彦さん(37)に話を聞いた。

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「実際に行けるように」

 「自販機をさがせ!」が掲載しているのは、個人店や中小事業者が置いている食べ物やグッズなどの自販機。自販機の写真のほか、商品の特徴や価格帯、事業者の情報も紹介。さらにグーグルマップで、所在地をピンポイント表示しているのが特徴だ。

 船越谷さんによると、販路拡大に向け自販機を設置する個人店などは増えている。ただ、魅力的な商品でも知名度が低かったり、検索しても場所が分かりにくかったりするものも多いという。こうした弱点を補い、実際に買いに行けるようにしようと、昨年11月ごろサイトを開設した。

 掲載している情報は、設置主や全国にいる自販機ファンから寄せてもらったものが中心。さらに広く情報を求めようと、インスタグラムで自販機のフォトコンテストを開催したところ、昨年と今年で計3800件もの応募があった。

「自販機は個人店を救う」

 多数の物件を管理している地元の駐車場屋さんが、なぜ自販機に特化したサービスを始めたのか。きっかけは昨年2月、コロナで売り上げが減った菓子店に、自販機の設置場所として駐車場の空きスペースを紹介したことだ。売り上げの増加につながったほか、実際の店を訪れる客も増え、手応えを感じたという。

 船越谷さん自身、コロナ禍で客が減った個人店の苦境を目にして歯がゆい思いをしていた。本業で地図を活用したサイト運営をしていたことや、高崎市内なら地区ごとの消費者の属性を把握していたことが、自販機事業にも役立つと考えたという。サイトでの発信に加えて、自販機を置きたい店と場所を提供したい地権者のマッチング事業を手がけている。

 人口減少やチェーン店の進出、新型コロナ…。船越谷さんは、厳しい環境にある地方の個人店にとって、人手も場所も最小限で、販路拡大につながる可能性がある自販機は大きな武器になるとみている。

 一方で、「自販機=飲み物」というイメージはまだまだ根強いと感じている。「自販機を一過性のブームで終わらせないためには、食べ物や物販の自販機をもっと多くの人に知ってもらう必要がある。同時に、消費者目線で質の高い商品作りも欠かせない。そのための手伝いをしていきたい」と話している。

《サイトに掲載している自販機の商品例》
 干し芋(茨城県ひたちなか市)
 折り紙(栃木県宇都宮市)
 金魚(奈良県大和郡山市)
 クルマエビ(鹿児島県薩摩川内市)
 昆虫食(埼玉県上里町)
 犬のうんち袋(群馬県高崎市)

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