子どもとのバトルに疲れ切っているお母さん、お父さんに朗報! 親や親代わりになる大人との関係は子どもが成長する上で最も重要で、その後の人生にも大きな影響を与えることはよく知られている。その絆に亀裂が入ったときにそれを修復することが、親子それぞれの個人的な成長につながることが研究で明らかになった。

 つまり、ある程度の言い争いがあり、その後に謝り、仲直りすることが親と子の健全な成長に欠かせないということだ。

 幼い子どもだけでなく、思春期の子どもとの関係、パートナー同士の関係でも言える。通常レベルの言い争いとその修復が重要だ。子どもはすぐに忘れてしまうように見えるが、実は、隠したまま前に進むことが得意なだけで、消え去っているわけではない。親が怒りをコントロールできずにぶつけた後、それを解消しないままにしておくと、本当に深刻なダメージを与えてしまう場合がある。だから、勇気を出して自分の過ちを認め、謝ることが重要だ。

 私自身、学び続ける中でいかに愚かな母親だったかを知り、心から申し訳ないことをしたと反省し、高校生になった4人の子にそれぞれのタイミングで謝った。その後、彼らも私も本当に成長した。関係性が変わった。自分も楽になった。反省して謝ることがいかに大切かを知った。

 人は感情の動物だ。行き違うこともあるし、疑心暗鬼になることもある。「もう!」と思う時もある。でも、その時に相手の立場になって相手がどう感じているか、何を考えているか、何を望んでいるかを考えてみる。想像してみる。そうすると、本当にいろいろことが見えてくる。いかに自分が独り善がりで、一方的に決めつけ、判断していたかが分かる。

 私たちは、生きている限り成長する。変わり続けることができる。今、どれほど理想とかけ離れているとしても、私たちの中には「変わる力」がある。それを見えなくしたり、信じさせないようにしたりしている不要な思いに気付いて、それに目を向け、手放そう。

 「私にはできない。どうせ自分は変われない」。そうした思いを捨て、心ではそうは思えなくても、「私にはできる。私は変わることができる」という言葉に置き換え、声に出して言ってみよう。自分のことを愛し、信じてくれている人を思い描き、その人になったつもりで自分を応援してみよう。

 そして自分の非を認め、自分の過ちを認めて心から謝ろう。「私も悪いけれど、あなたも…」という言葉は胸にしまい、まずは想像の中で相手に謝ってみる。準備ができていると感じたら、実際に謝ろう。このプロセスは私たちの心に最も深い平安をもたらすだろう。

 【略歴】40代で再び大学に入り看護師・保健師の資格を取得。筑波大大学院で母親のアンガーマネジメント、東大大学院では親のレジリエンスを研究。渋川市出身。

2022/6/15掲載