萩原朔太郎大全2022の共通ポスター(原画・横尾忠則、ポスターデザイン・榎本了壱)

 没後80年となった前橋市出身の詩人、萩原朔太郎をテーマに全国で一斉開催する企画展「萩原朔太郎大全2022」(同実行委主催)に参加する計52の団体と施設が公開された。10月から来年1月まで、開催地と朔太郎のゆかりを探る展示や、地元文学者らと朔太郎の関わりを掘り下げるなど、各団体施設が特色ある企画を展開する。

 県外では北海道立文学館(札幌市)や石川啄木記念館(盛岡市)、ドナルド・キーン・センター柏崎(新潟県柏崎市)、室生犀星記念館(金沢市)、中原中也記念館(山口市)、くまもと文学・歴史館(熊本市)などが名乗りを上げている。

 県内は前橋文学館、前橋市立図書館、アーツ前橋、共愛学園前橋国際大など10館が参加する。このうち前橋文学館は朔太郎作品の初版無削除版の展示やリーディングシアター(朗読劇)を、県立文書館は朔太郎の母方の八木家にまつわる展示を予定している。

 共通ポスターは企画の趣旨に賛同した画家、横尾忠則さんが描いた朔太郎の肖像画に、朔太郎の孫で前橋文学館長の萩原朔美さんのメッセージ「詩の故郷、朔太郎を訪ね/言葉の素顔に出逢う/過去を再考することは/未来を創ることだ」を添えた。イラストレーターの榎本了壱さんがポスターデザインを担当し、月の満ち欠けをイメージしたエンブレムも考案した。

 この他、企画展の開催を記念し、文学研究者らが朔太郎について語る書籍を夏ごろ刊行予定。他の文学者との交流や音楽への取り組みなど、朔太郎の魅力を多面的にまとめる。冬には俳優の東出昌大さんが三好達治役で主演する記念映画「天上の花」の公開も予定されている。

 記念書籍には朔太郎作品などを題材にした漫画「月に吠えらんねえ」の作者、清家雪子さんや、楽曲「月に吠える」を作曲したバンド「ヨルシカ」のn―buna(ナブナ)さんも登場する予定。

 企画展の開催を受け、清家さんは「こんなにたくさんの施設で朔太郎さんをテーマにできてしまうからこわいんです、あの方」、ナブナさんは「個人の感情に容易にアクセスできる現代に生きているからこそ、伝えることを求めすぎない朔太郎の不器用さを愛せずにはいられないのかもしれない」とコメントを寄せた。

 各施設や団体の企画内容は、前橋文学館ホームページ内の特設ページで情報を随時更新する。