▼1400年以上前の創建と伝わる榛名神社は火の神や土の神をまつり、開運や五穀豊穣(ほうじょう)の御利益があるとして人々の信仰を集めてきた。そこに生まれたのが「榛名講」である

 ▼関東一円をはじめ、遠くは東北の村々から代表者が農繁期の前に参詣し、お札を受けて帰った。嵐除けや雹(ひょう)除けとしてもあがめられたといい、農家が荒天を恐れていた様子がうかがえる

 ▼空の急変になすすべもなかった、という人が多かっただろう。先月末と今月上旬、東毛や西毛を中心に降った雹のことだ。農作物などに深刻な被害が出ている

 ▼高崎市の木村悦子さん(47)はNPO法人で手がける1.3ヘクタールの畑が壊滅状態に。出荷を目前にしたブロッコリーとキャベツは傷がつき、市場に出せなくなった。途方に暮れていたところ、NPOの活動を通じて交流のある高崎経済大の学生から声がかかった

 ▼廃棄してしまうのはもったいない、SNSで呼びかけて必要な仲間に配りたいという。木村さんたちにとってもありがたい提案。段ボールに詰めて託すと、行き場をなくしかけていた新鮮野菜はあっという間に下宿生らの手に渡った

 ▼高崎市内では傷が浅い梅の受け入れを市場に働きかけたり、桃をパイに加工して販売を目指したりする動きもあるという。人のつながりや創意工夫で窮地の生産者を少しでも支えられるといい。消費者も積極的に手に取り、応援したい。