オリーブの木の下で、銀賞の賞状とオリーブオイルを手に受賞を喜ぶ村谷さん

 各国の生産者や加工業者らが出品するオリーブオイルの国際品評会「オリーブジャパン2022国際オリーブオイルコンテスト」で、村谷胃腸科医院(前橋市朝倉町)の医師、村谷貢さん(70)が銀賞を受賞した。市内の畑で趣味で始めたオリーブ栽培が高じ、世界的にも高品質と評価される水準に達した。開業医と農業の二足のわらじを履く、異色の取り組みが実を結んだ。

 受賞したのは「ミッション」という品種のエキストラバージンオリーブオイル。村谷さんが運営する「オリーブの小枝香房」で製造した。日本オリーブオイルソムリエ協会(東京都)が5月に審査を行い、27カ国816点の中で銀賞(283点)に選ばれた。

 協会によると、銀賞は世界で生産されるオリーブオイルの上位20%未満と推定される最上級グレード「エキストラバージン」の基準を満たすレベルという。

 村谷さんがオリーブ栽培に関心を持ったのは、1975年にイタリアでオリーブを摘んでいる姿を見て感激したことがきっかけ。その後、娘婿が高松市出身という縁が生まれ、国内有数の生産地、香川県小豆島で栽培やオイル生産を手がける「小豆島オリーブ公園」を紹介された。

 前橋市の気候でも露地栽培が可能と分かり、2008年に小豆島から苗木を20本調達。病院の駐車場として確保していた土地で栽培を始めた。

 同公園で事業部長を務めていた古川安久さんの指導を受け、11年には搾油できるほどに収穫量が増えた。当初は小豆島で加工してもらっていたが、自ら搾油しようと食用油脂製造業の許可を取得し、19年にイタリアから搾油機を導入。本格的な事業に位置づけ、品質向上に努めてきた。

 現在は近隣の農地も借り、計千平方メートルほどの畑で6品種44本を栽培。収穫量は年300キロほどに及ぶ。

 コンテストは古川さんの勧めで初めて出品した。受賞を受け、村谷さんは「品質にお墨付きが得られて自信が付いた。オリーブは前橋市でも十分育つ。上州の新たな産業の芽になる」と喜んでいる。