群馬県みどり市笠懸町鹿で住宅が全焼し、暴行を受けた男性(73)が殺害され現金などが奪われた強盗殺人・放火事件で、前橋地検は15日、強盗殺人と非現住建造物等放火、死体損壊の罪で同市のフィリピン国籍で工場作業員、被告の男(38)を前橋地裁に起訴した。裁判員裁判で審理される。

 起訴状によると、3月30日、男性方で棒状の物で頭や顔、胴体を多数回殴り、鼻骨などの骨折による出血の気道内吸引などで窒息させて殺害し、現金約16万6千円とネックレス1本(時価45万8200円相当)を奪った。犯行の形跡を隠すため、遺体にかぶせた毛布などに灯油をまき、ライターで火をつけて遺体の一部と住宅を焼いたとされる。

 地検は逮捕時の県警と同じく、認否を明かしていない。

 県警は男性が出火時に生きていた可能性を踏まえて現住建造物等放火容疑で逮捕。司法解剖に基づき死因を外傷性ショックとみられると発表していた。

 地検はその後の捜査の結果、窒息死と判断した。「非現住」への切り替えについて「放火前に多数回殴るなどして、そのままでは命を失うような重篤な状況になっていた」と説明した。凶器は遺体の状況や医師の所見を基に、棒状の物とまで特定。現時点で単独犯とみているという。

 被告は4月に入管難民法違反(不法残留)容疑で逮捕・起訴され、5月2日に強盗殺人容疑、同24日に現住建造物等放火容疑で逮捕された。強盗殺人容疑は処分保留とされていた。

 起訴を受け、男性の親族の一人は「本当に1人で殺したのか。だとしたら、なぜ。自分の口で真実を話してほしい。(男性は)あんなにかわいがっていたのに」と話した。