※前橋市教育資料館調べ

 広瀬団地(前橋市)は県営住宅658戸、市営住宅1535戸、県住宅供給公社の賃貸住宅112戸がある県内最大規模の住宅団地だ。かつて若い家族でにぎわったこの団地にも、高齢化と人口減少の波は例外なく押し寄せている。団地の大半が所在する広瀬町1~3丁目の人口や小中学校の児童生徒数は大きく減少し、1家族の人数は2人を割る。その推移から、時代の経過とともに変化する家族構成や少子高齢化の実態が見える。

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高度成長期に造成 

 前橋市史によると、高度経済成長期の1966年、都市基盤整備に重点を置いた市は、歳出の26%近くを建設事業に投入した。広瀬団地の造成が始まるのはその年だ。10年をかけて整備し、市営住宅は1274戸、県営住宅は838戸となった。

 76年には広瀬地区の再編により、広瀬町1~3丁目が誕生した。当時の人口は1丁目1696人、2丁目4735人、3丁目3950人で計1万381人。世帯数はそれぞれ507、1375、1167で計3049。1世帯当たりの家族数が平均3.40と3人を超えていた。

 だが、80年代半ばまで増え続けた人口はその後、減少に転じ、世帯構成も90年代に3人未満となる。これは、建設当初に入居した家族の生活スタイルに変化が生じ始めた時期と重なる。

目立つ高齢の単身者と夫婦

 学生とともに広瀬団地の再生に取り組む前橋工科大の堤洋樹准教授(49)は「入居が始まった70年前後に若い家族が一気に入り、人口が増加した。だがその後、子どもが進学や就職などによって転出し、世帯人数が減少したと考えられる」と分析する。

 2010年代に入ると、家族数は2人前後で推移し、20年以降は2を割り込んでいる。今年4月30日現在の市の町別人口によると、世帯数は計3583、人口は6676人で、世帯当たりの人数は平均1.863。入居者に単身世帯やひとり親世帯が増えたことが推測できる。

 県住宅供給公社も「20~30年前までは、説明会の参加者のほとんどが夫婦だったが、現在は高齢の単身者やひとり親世帯が目立つようになってきた」と話す。数十年前、夫婦と子どもで入居した世帯から子どもが成人して独立し、高齢夫婦のみで暮らしている現状なども影響しているという。