衆院選挙区画定審議会(区割り審)が16日に示した改定案には、複数の選挙区にまたがる自治体を大幅に減らすことも重点項目として盛り込まれた。群馬県内では桐生、太田、渋川、みどりの4市が対象となり、複数選挙区への分割が解消される見通しとなった。該当する地域からは「選挙区が分かりやすくなる」「選挙事務の負担が減る」と歓迎の声が相次ぐ一方、選挙区の変更に「築いてきた関係が途切れないか」と不安視する意見も聞かれた。

 区割り審の勧告について、自民党県連会長で群馬5区選出の小渕優子衆院議員は「自治体の分割が解消されれば、有権者にとって選挙区が分かりやすくなる。対策が進むのは望ましいこと」と受け止める。

 5区の関係では、渋川市が見直しの対象。現状では旧北橘村、旧赤城村が1区、それ以外が5区に分割されているが、見直し後はいずれも5区となる。旧赤城村に住む会社経営、長岡宗一さん(46)は「渋川は6市町村で合併して15年以上が経過した。選挙区が統合されれば、一体感が高まる」と話す。

 1区から2区に移る桐生市新里町山上に住む久保田裕一市議(37)も「選挙区の分かりにくさが解消され、良い方向に行くと思う」と歓迎。その上で「今まで築いてきた関係性が途切れてしまうというデメリットがある。地域の代表が変わるという部分で多少なりとも影響が出るのではないか」と指摘する。

 自治体にとっては、分割解消により、選挙事務の効率化が期待される。2区、3区の二つの選挙区に分かれている太田市の選挙管理委員会は、市内のうち旧藪塚本町のみ2区に含まれていたため、これまでは開票所を2カ所用意する必要があった。改定されれば3区のみの対応となり、担当者は「1カ所に集約し、迅速に開票結果を出すことができる」とみる。

 一方、高崎市は旧市部と旧新町、旧吉井町が4区、それ以外が5区のままとなり、分割は解消されない。5区に含まれる同市倉渕町権田に住む丸山芳典市議(60)は「合併して15年が経過した。選挙区も一つになるのが望ましい」としつつ、「市内に複数の選挙区があれば、それぞれ地域ごとの実情に合わせた要望などを聞いてもらいやすい面もあるのでは」としている。