新潟市を中心に展開するコーヒーチェーン店「珈琲倶楽部」の創業者で、群馬県みなかみ町在住の加藤広安さん(95)が17日、沼田市下川田町にコーヒー店「珈琲倶楽部沼田店」をオープンした。同チェーンを全国30店舗まで拡大させた〝レジェンド〟は、2年前に経営の一線を退いて群馬県に移住したが、コーヒーへの愛情から一念発起。「コーヒーを飲んでもらい、おいしいと言ってもらえることが私の命そのもの」と笑顔で語る。

 沼田店は中南米や東南アジアなどの生豆を約30種仕入れ、客の目の前で焙煎。看板商品の「倶楽部ブレンド」(390円)や軽食、オリジナルのデザートに加え、コーヒー豆も販売する。

 加藤さんは京都市生まれ。太平洋戦争時は海軍航空隊に入隊し、戦地を転々とした。戦後は大阪で暮らし、UCC上島珈琲(神戸市)で営業などを担当し55歳で定年退職。その後は嘱託として、コーヒー豆を焙煎し各店舗に出荷する新潟工場で工場長を務めた。

 新潟市内にコーヒー店「珈琲倶楽部」をオープンさせたのは、工場を退職後の1991年。客の目の前でコーヒー豆をいりたいと考え、小型の焙煎機を開発し、98年に特許を取得した。

 その後、90年代半ばから希望者に焙煎機を貸し出してコーヒー店経営のノウハウを提供し、加盟店として運営を任せるフランチャイズ事業を展開。同市を中心に宮城県や大阪府など約30店舗まで拡大させた。

 2012年には、法師温泉長寿館(みなかみ町)にたびたび訪れていたことをきっかけに、月夜野店(同町下津)を開店。同店は現在、長女の郁子さんが経営している。20年に後進に道を譲ることを決めて同店以外を譲渡し、同町に移住した。

 それから2年、多くの人においしいコーヒーを提供したいという思いが募り、沼田市内の空き店舗を借り受けて、新店をオープンさせた。店名は愛着のある「珈琲倶楽部」。コーヒー豆の原価は高騰しているが、店内で提供するコーヒーの値段は当面上げない方針だ。

 95歳で2度目の創業を果たした加藤さんは「希望者がいれば店舗を広げていきたい。もう一度フランチャイズ展開したい」と今なお夢を膨らませる。

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