連合群馬と立民、国民両県連の合同選対会議に臨んだ白井氏(右から2人目)ら=5月24日、前橋市内

 連合群馬と立憲民主、国民民主両党県連による初の合同選対会議が開かれた5月24日。会場を訪れた後藤克己立民県連会長は、群馬選挙区に出馬予定の白井桂子氏(60)の肩をぽんと叩いた。昨秋の衆院選以降、旧民主党勢力の結集による「野党の再生」を掲げてきた後藤氏。あいさつに立つと、これまでの苦労と感慨をにじませた。「白井さんを旗頭にスクラムを組む形を作れたことは、万感の思いだ」

 立民側の候補者擁立は難航した。7選を目指す自民党現職、中曽根弘文氏(76)の知名度は抜群で、強固な支援組織も有している。厳しい戦いは百も承知だが、野党第1党として有権者に選択肢を提示できないことは許されない。県連は難しいかじ取りを迫られた。

 連合群馬副事務局長の白井氏の擁立作業が本格化したのは3月に入ってから。連合群馬、国民県連との調整が最終局面に入った4月上旬、立民県連幹部は苦い表情で語った。「もしこの人が駄目だったら、本部の落下傘になる」。県立小児医療センターでの約30年の看護師経験、労働組合の最前線で当局と闘ってきた経緯からも、中曽根氏との対立軸を鮮明に打ち出せるとして白羽の矢が立った。

 白井氏を押し上げた背景には、衆院選の惨敗を受けた方針転換がある。昨秋、立民が公認・支援した4候補が県内小選挙区で全敗。比例復活もかなわず、党所属国会議員はゼロになった。立民県連幹部は「『限定的な閣外協力』で、わが党が共産党と一体であるかのように攻撃された」と振り返る。再生に向け、昨年11月に泉健太代表ら新執行部となった党本部側の動きと相まって、共産党との連携の見直し、国民との関係改善に重きが置かれた。

 白井氏は労働運動を巡る歴史的な経緯から共産と距離を置く連合群馬の組織内の人物。連合群馬との関係性を強化し、2月末に設立された国民県連や連合群馬議員懇談会所属のリベラル系議員も含め、新たな共闘が可能になると見込んだ。

 白井氏は4月12日に出馬を表明。今月10日に前橋市内で開かれた連合群馬の総決起大会では「全ての働く者の笑顔のために役に立ちたい」と力強く訴えた。産別組織や労働組合に約9万7千人の組合員を抱え、これまで旧民主党系候補を後方支援してきた連合群馬。組織内候補を国政選挙に立て、主体的に臨むのは初めてのこと。佐藤英夫会長は「連合群馬の力が試される選挙」と強調し、組合員を軸に支持拡大を狙う。

 連合群馬と立民が推薦し、国民県連の支援を受けて選挙戦に臨む白井氏。三者で野党再生の道筋を見いだせるのか、勝負の時を迎える。