着物をリメークしたパネルを手に、「外国人は日本人とは違った価値観で評価してくれる」と話す高田さん

 「外国人には着物や帯をリメークした物が喜ばれる」。藤岡市鬼石の商店街の一角。ギャラリー「Onyva(おにヴぁ)!」を運営するハンドメイド作家、高田泰子さんは今、和装の生地を使ったパネルやタペストリー、小物作りに夢中になっている。ギャラリーのホームページ内に、主に外国人向けオンラインショッピングサイトを開く予定だ。

 子どもの頃から手芸が大好き。17年ほど前からフリーマーケットやイベントに出店するようになった。持ち前のリーダーシップを発揮し、「手づくりマーケット」を開催。次第に「自分たちの店を持ちたい」との思いが強くなった。

 念願がかなったのは2009年。仲間と空き店舗を活用した雑貨店の開店にこぎ着けた。店名はフランス語で「一緒に行こう」の意味。「おにし」とも音が似ていることから名付けた。

 手づくり品の委託販売を中心に、店内でワークショップなどを開いていたが、ハンドメイドイベントが増え、インターネット販売が広がるに連れ、集客は激減した。仲間も独立し、15年に運営者が高田さん1人になると委託販売に限界を感じた。

 再出発を余儀なくされ、18年にギャラリー運営に切り替えた。個展やグループ展として期間を定め、出展者にはテーマを持った出品をしてもらう。個性あふれる作品や芸術性を高めた展示に力を入れ、質の高い見せ方にかじを切った。

 試みが軌道に乗り出した直後、新型コロナウイルスの感染が拡大。イベントは開けず、ギャラリーも休止せざるを得なくなった。

 和雑貨のアイデアが浮かんだのはそんなとき。地元の文化交流拠点「シロオニスタジオ」で滞在制作に参加する海外アーティストと交流する中、日本人以上に日本文化に興味を持ち、ハンドメイド作品を高く評価する姿勢に触れていた。「海外の人に向けた手づくり和雑貨の販売は、まだ作家も少なくチャンスがある」と直感した。「高田さんに使ってもらえたら」と、たくさん持ち込まれる着物や帯も無駄にならない。

 ショッピングサイト名は「寿―kotobuki―」に決めた。コロナの影響により海外への物流が滞っている状況で、公開日はまだ調整中だ。これまで積み上げてきたキャリアや海外の友人の反応から、「きっとうまくいく」と確信している。これまで何度も危機を乗り切ってきたから。

(加藤秀樹)