約1世紀ぶりに国内で確認されたコクテンシャコ(中島さん提供)

 1915(大正4)年以降、国内で生息を確認できていなかったシャコの一種「コクテンシャコ」を、琉球大大学院理工学研究科博士後期課程1年の中島広喜さん(25)=高崎市出身=らの研究グループが約1世紀ぶりに発見した。中島さんは干潟の減少や環境悪化などを踏まえ、保護の必要性を検討するためにも、未解明の部分が多い実態の調査に意欲を見せている。

 コクテンシャコの全長は約10センチ。胸の部分の突起に、黒い斑点があることが特徴。インドやシンガポール、中国、台湾などに広く分布し、干潟などに住んでいる。国内では20世紀前半に瀬戸内海や東京湾などで発見された記録があるが、最後に発見されたのは1915年で、それ以降は記録が途絶えていた。

 中島さんらのグループに2020年5月、広島、岡山両県で採集された標本が提供された。東京湾で採集されて国立科学博物館に保管されていた標本や、国外の標本などと比較。特徴が一致したことなどから、提供された標本をコクテンシャコと特定。国内に生息していたことを再確認した。

 中島さんは「調査されていなかっただけで国内で生息していた可能性はある」とした上で、1915年当時と比べ瀬戸内海など各地で干潟が開発されていると指摘。「環境が悪化した中、生きていることを確認できたことに大きな意義がある」と強調した。保護が必要かを議論するためにも「分かっていないことが多い。今年中には現地で調査したい」と力を込めた。