ホーム戦

 うねる大旗、響く太鼓。大声を出せないもどかしさを振り払うように、草津名物の湯もみ板が揺れる。特徴的なリズムの手拍子は、劣勢でなお力強い。

 

 コロナ禍による無観客試合を経て、サッカーJ2ザスパクサツ群馬のホーム、正田醤油スタジアム群馬(前橋市)に活気が戻りつつある。スタンドでの旗振りが再開されたのは半年前。ようやく、声出し禁止の制限も緩和に向かう。

 スタジアムがある公園の一角で、真剣な表情で鉛筆を握るのは、前橋時沢小1年の片貝颯太君。「『宿題しないと連れて行かないよ』って言ったら、自分からやり始めたんです」と、母の彩花さん(27)=@ayaka932=は笑う。母の影響でザスパにのめり込み、5月にはDF山中惇希選手のエスコートキッズも務めた。

@ayaka932◆平仮名の宿題をする颯太君=5月25日、熊本戦

 憧れは、いつしか目標に。この春から本格的にサッカーを始めた。「ロングボールを蹴るのが好き」。目指すは正確なキックを放つゴールキーパーだ。

 ツイッター名「なべのすけ」として発信している渡辺宥介さん(21)=@y_12_kst=は、ザスパが生む経済効果を研究するため、この春に千葉県の大学から高崎経済大に編入した。「勝ちが多くないからこそ、勝った時やゴールの喜びが大きい」。中でも、前線で体を張るFW平松宗選手は「まるで太鼓の音に応えるように走ってくれる」という。

@y_12_kst◆サポーター仲間とパチリ(横浜FC戦)

 交流サイト(SNS)でつながれる時代になったけれど、その場でしか共有できない喜怒哀楽が、スタジアムにはある。ホーム戦は必ず訪れるという車いすの男性(24)は、「最後まで全力で走る姿を見ると、1週間頑張れるんです」とぽつり。

 「攻めて来いよ せめて燃やせ束になった火を」(Fire、G‐FREAK FACTORY)。黒星先行だが、シーズンは折り返したばかり。負けても不格好でも、見る人の心に火を付ける戦いを。

@photogra_m2 東京・町田GIONスタジアム、町田戦に向け、体を温める岩上祐三選手(白)ら
  
@11_24_dsk抱き合う田中稔也(手前)、山中惇希両選手(千葉戦) 千葉・フクダ電子アリーナ
@_tmyk_312◆会場を盛り上げたチアリーディングチーム(大分戦)

 上毛新聞社は、写真共有アプリ「インスタグラム」の公式アカウント(@jomo_shinbun)=QRコード=で、折々の群馬を切り取った作品を募っています。

 

 8月31日までは「#グンマーの夏」がテーマです。集まった作品は断りなくインスタで転載したり、紙面で紹介したりします。(次回は7月12日掲載)