学校給食における地産地消と循環型システム構築を進めようと、群馬県桐生市教育委員会は20日、食べ残しからできた肥料を使って農作物を栽培し、食材として活用する取り組みを始めると発表した。23日から肥料化を担う市内事業者への提供を始め、栽培されたニンジンを11月以降に使用する予定。市教委によると、県内では高崎市が食べ残しの堆肥化に取り組んでいるが、給食食材への活用まで含めた循環型の取り組みは初めてという。

11月以降 ニンジン使用

 食品の食べ残しの肥料化を手がける日本ゼウス工業(桐生市広沢町)に有償で提供し、同社が契約する農家が7月初旬、同市新里町内の畑でニンジンの作付け時に肥料として使う予定。その後、市学校給食中央共同調理場が食材として仕入れ、11月以降の給食で使う。

 食べ残しの提供は同調理場で行い、原則として毎日200キロ以内を同社が回収する。有償提供は1トン当たり200円程度を想定し、金額相当分の作物を納品してもらうことを考えている。食材に使うニンジンは11、12の各月に500キロずつ仕入れる見込み。

 今後、ニンジン以外の食材についても作付け可能な農作物がないか協議していく。

 市教委によると、同調理場は旧桐生市と旧黒保根村の両地域にある市立の小中学校、幼稚園などに1日当たり約6千食を提供している。食べ残しは毎日150~350キロ程度あり、現在は市清掃センターで焼却している。旧新里村地域は地元の共同調理場が担当している。

 荒木恵司市長は同日の定例会見で「循環型のシステムを学校給食の中でつくりたいという考えがあった。子どもたちに地産地消で給食が提供されていることを理解してもらいたい」と期待を込めた。

 一方、高崎市は2003年、給食の調理過程で出る野菜くずや食べ残しを資源として再利用する事業を小学校7校で試験導入。現在は市内2業者に堆肥化を委託し、市内の全小中学校、特別支援学校、市立幼稚園、保育園で出た野菜くずや食べ残しを活用している。

 堆肥は希望する学校に無償配布し、花壇の花植えや校内菜園に生かされるほか、余った堆肥は業者が道の駅や生活雑貨店などで販売している。堆肥化だけでなく飼料化されるケースもあり、家畜の餌としても利用されているという。