参院選がいよいよ選挙戦の火ぶたを切る。現職、新人の計6人が立候補の準備を進める群馬選挙区。事実上の論戦がスタートし、立候補予定者は安全保障政策や物価高対策、憲法改正などについて、それぞれの考えを各地で主張している。

 「国民の命や財産、領土を守ることが政治の最大の責任。防衛力を強化するために予算の増額が必要」。17日に館林市で開かれた集会で、自民党現職の中曽根弘文氏(76)は支援者350人を前に訴えた。新型コロナウイルス対策や災害の激甚化、国際情勢の不安定化などの課題を挙げ、安定した政権で着実に解決することの重要性を説く。

 中曽根氏は各地の演説でロシアによるウクライナ侵攻や中国の台湾への圧力などを例に、北東アジアの安全保障環境は非常に厳しい状況にあると主張。日米韓で連携した安全保障の強化も訴え、外相などの経験で築いた米国や韓国との人脈を生かし、議員外交を進めるとした。

 一方、連合群馬副事務局長で立憲民主党が推薦する無所属新人、白井桂子氏(60)は看護師として小児医療を担ってきた経験や、3人の子どもを育てた経験などから労働者、生活者の目線での訴えに力を入れる。物価高騰対策や出産から教育までの切れ目ない支援の拡充も訴える。

 18日には前橋市内の商業施設前で演説し、物価高に対して政府の対策が不足していると指摘。ガソリン税などに消費税がかかる「二重課税」の問題に触れ、「ガソリン価格を下げる方法があるのに実施せず、今の状況がある。私たちの生活を本当に分かってない」と批判した。

 参院選では、改憲に前向きな勢力が発議に必要な3分の2以上の議席を維持できるかも焦点の一つ。

 「新憲法を手にしてから、戦争に明け暮れていた日本がぴたっと戦争を止めた。戦争しない記録を100年、200年と続けよう」と憲法9条を守るべきだと主張するのは共産党新人の高橋保氏(64)。前橋市の商業施設前で16日に行った演説では外交の大切さを説き、「参院選には平和と暮らしがかかっている」と訴えた。

 NHK党新人の小島糾史氏(46)は、交流サイト(SNS)や動画投稿サイト「ユーチューブ」でNHK放送のスクランブル化、不公正なNHK受信料の是正、物流業界の労働環境改善などを主張する。

 政治団体「参政党」新人の新倉哲郎氏(43)は子どもの教育環境の改善や国防の強化などをSNSや街頭演説で呼びかけている。

 諸派の新人、萩原勝喜氏(81)は消費税の当面廃止などを訴え、出馬の準備を進めている。