参院選が公示されて18日間の選挙期間に突入した22日、県民からはさまざまな分野の政策論戦に期待する声が上がった。ロシアのウクライナ侵攻で不安定さを増す外交・防衛問題、物価高騰に抗して生業を守る経済対策、人口減社会の未来を担う次世代への投資まで、政治に突き付けられた課題は幅広く、どれも重い。立候補者や政党の主張を見定め、一票を託す先を真剣に考えている。

現状合わせて

 ウクライナや台湾の問題を受け、高崎市保渡田町の自営業、林重安さん(80)は「日本の憲法は機能してきたと思うが、このままでいいのか」と考えるようになった。外交による問題解決と戦争放棄を維持した上で「有事に備えたり、自衛隊の存在を現状に合わせたりするべきだ」とした。

 前橋市南町の自営業、田所孝則さん(38)は「現実は厳しい。外交力は大事だが、国を守るため防衛費の増額には賛成」と話した。

効果的な策を

 経済対策について、太田市藤久良町で飲食店を営む金岡剛さん(45)は「消費者が店でお金を使ってくれる効果的な策を打ち出してほしい」と望む。消費減税では貯蓄に回されるだけで集客は伸びず、税収が減ったしわ寄せも想定する。とはいえ賃上げを促す政策には「収益増が見込めなければ経営者は踏み切れない」と難しさを感じる。

 3人の子どもを育てる高崎市東貝沢町の不動産業、金子美雪さん(38)はガソリンの価格や食費から物価高を実感する。「子どものために肉や野菜をもっと買いたい。せめて児童手当の拡充や所得税の減免を」と要望した。

 人口減は特に山間部で喫緊の課題となっている。人口約1600人で高齢化率日本一とされる南牧村の市川圭三さん(79)は「移住者を呼び込めなければ村の存続はない」と危機感を訴える。村や村民の取り組みに期待した上で、参院選では「国とのパイプを太くしてくれる候補者や政党を支持する」とした。

 嬬恋村田代の農業、宮崎脩平さん(28)は国際情勢や気候変動を踏まえ「自国の農業生産の安定化は国全体の課題。稼げる職業になれば担い手も増えるはずだ」と農業への経済的支援を求めた。

期待できない

 桐生市宮本町の不動産会社役員、奈良政行さん(52)は、所有者が亡くなり、意向を確認できない空き家や土地が年々増えているといい、「相続手続きをもっと簡略化すべきだ」と指摘した。

 群馬法科ビジネス専門学校(前橋市)に通う渋川市吹屋の山下吏輝さん(19)は「男性が育休を取りづらいと本で読んだ。将来、自分が子育てする立場になった時に困る」と話し、子育て支援の議論が深まるよう期待した。

 一方、「投票に行っても何も変わらないと思う」と玉村町上之手のサービス業、吉岡留奈さん(28)。2歳と4カ月の子どもを抱え「将来を考えると不安が大きいけれど、政治には期待していない」と話した。