病や外傷で失明するなどした人に角膜をあっせんしている県アイバンク(群馬県前橋市)で、角膜を提供するドナー候補者となる2021年度の新規献眼登録者数は103人にとどまり、新型コロナウイルス感染拡大前(19年度1177人)の1割以下だったことが23日、同団体のまとめで分かった。コロナ禍で普及活動が困難になったことが要因で、20年度(224人)に続いて激減した。移植を待つ人は毎年増えており、同団体は協力を呼びかけている。

移植待つ人増え続ける

 同団体によると、新規登録は10年前の12年度以降、1100~1900人台だった。21年度の内訳は30代以下が26人、40~60代が59人、70代以上が17人などだった。

 本県は都道府県別の登録者数が16年度の2位を挟み07~19年度にずっと1位だった。担当者は「20年度は全国的な激減。その中では持ちこたえた方」と話す。

 12~19年度に角膜移植が行われた献眼者は16~26人で、20年度は12人に減った。21年度は21人だった。

 20年度からは施術に当たる医師の感染症対策で、遺体が自宅にある場合は角膜提供を断念し、病院や高齢者施設、斎場の控室など対策が施された公共空間に呼ばれた時のみ受け付けている。それでも献眼者が登録者ほど減少していないのは、長年の登録活動でドナー候補者の累計人数や意識が保たれたためではないかと分析している。

 寄付金と賛助会費もコロナ前の7割に減少した。12~18年度は計約540万~1150万円で推移。19年度は640万円だったが、20年度は440万円、21年度は460万円となった。

 認知度を高め登録を促す地域イベントへの出展は、感染状況を踏まえた自治体や主催者の開催判断に左右される。感染の波が落ち着いた今、また少しずつ声がかかり始めた状況という。

 角膜移植の実務に影響は出ていないが、移植を待つ人は毎年新たに数十人増える。安定した提供体制を守るため、設立母体のライオンズクラブと連携し、今後開催されるイベントなどに積極的に出向く方針。

 野村洋四郎理事長(79)はアイバンク自体を知らない人が多く「暗闇で生活する人に愛の光を届けたい」と協力を呼びかける。角膜提供は、ドナー候補者が亡くなって12時間以内に遺族がアイバンクに申し出る仕組みのため、登録者が普段から家族とよく話し合い、毎年届く機関紙やステッカーで忘れないようにしておくことも希望した。

 新規登録は無料。問い合わせは平日に県アイバンク(☎027-237-5008)へ。