テレビ東京アナウンサーの相内優香さん=高崎市出身=は、報道番組のメインキャスターを務めるなど、第一線で活躍を続けている。アナウンサーとしてのキャリアを重ねる中、今春、早稲田大大学院経営管理研究科を修了し、MBA(経営学修士)を取得。高校時代から変わらない「好奇心」で挑戦を続ける相内さんが、進路や将来について考える高校生にエールを送る。

「好き」「楽しい」が原動力

アナウンサーを目指したきっかけは、中学時代に出合った朗読だった。

中学3年の時にNHK杯放送コンテストの朗読部門に参加しました。同じ文章でも、間の取り方や読み方の強弱で、伝わり方が全然違い、「どうしたらうまく伝わるだろう」と何度も練習するうちに熱中しました。県代表として子ども国会にも参加し、何百人という大勢の人の前で提言を発表しました。自分の言葉に共感してくれることがすごくうれしくて、“声の力”ってすごいんだと感じました。自分の言葉で何かを伝える楽しさに気付いたことが、アナウンサーを意識するようになったきっかけです。

高校時代には、NHK杯放送コンテストの全国大会に3年連続で出場。高校野球夏の県大会で開会式の司会進行を担当し、全国高校決勝弁論大会では優勝も果たした。「好き」「楽しい」という思いから描いた将来の夢は、打ち込むほど明確になっていった。

好きでコツコツと続けてきたことが結果になり、「声で伝える仕事が自分に向いているのかも」と自信が持てるようになりました。NHK前橋放送局のアナウンサーから直接アナウンス指導を受ける機会もあり、憧れではなく、本気で目指したい目標と考えるようになりました。

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高校卒業後は、アナウンサーを多く輩出している立教大に進学し、フリーアナウンサーの事務所に所属。テレビやラジオのリポーターなどを経験し、基礎を学んだ。

アナウンサーになるための一歩になればと挑戦したのですが、実際に足を踏み入れると、声で伝える以上に、タレント的な要素が求められる華やかな世界でした。朗読好きの高校生が思い描いていた世界とはギャップが大きく、ショックを受けました。当時はカメラの前で表現することにためらいもありましたが、今思い返すと必要な経験だったのかなと思います。

就職活動では、周りの華やかな受験生と自分を比べ「自分には向いていないのかも」とくじけそうになることもあった。

そんな中でも支えになったのは中学生の時から変わらない「朗読が好き」という思いでした。アナウンサーになった今でも、一番好きな仕事はナレーションです。好きなことに全力で取り組んだという経験は、将来必ず生きると思います。

テレビ東京入社後、同局の看板番組「WBS(ワールドビジネスサテライト)」で10年間キャスターを務めるなど順調にキャリアを重ねる中、2020年に大学院入学という新たな挑戦を決断した。

33歳ぐらいの時に、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんとジャーナリストの池上彰さんの対談でナレーションを務めました。その際、「35歳以降に始めた研究が評価される」「いかに35歳までに力を蓄えられるかが大事」という吉野さんの言葉に刺激を受けました。WBSに長年携わる中で、自分の専門性をもっと高めたいと感じていた時期でもありました。これまでの経験を生かしながら、アナウンサーの仕事にもつながるのはMBAだと考えたのです。

仕事と勉強の両立という多忙な日々を乗り越え、今春、修了を迎えた。

経済に対する理解の深さなど、これまで以上に見える世界が広がったように感じます。ビジネスの知識を生かして「誰かを喜ばせたい」「社会を良くしたい」と考えるようにもなりました。今後はアナウンサーとしてはもちろん、大学院で学んだ経験を社会に還元していきたいと思っています。

チャレンジ精神の源は「好奇心」だという相内さん。進路に思い悩む高校生に対して「挑戦することを恐れないでほしい」と語りかける。

「やらない後悔よりもやる後悔」という言葉がありますが、その通りだと思います。少しでも興味を持てることがあれば挑戦してほしいです。その経験は、必ず役に立ちますし、見える世界も変わっていきます。勇気をもって踏み込んだ先に、新たな可能性が広がっているはずです。


 

相内 優香(あいうち・ゆうか)
1986年2月、高崎市生まれ。共愛学園中高―立教大卒。2008年、テレビ東京入社。経済ニュース番組「WBS」で10年間キャスターを務めるなど、報道番組を中心に活躍。21年3月から、朝の経済ニュース番組「Newsモーニングサテライト」(平日午前5時45分~7時5分)で月~水曜のメインキャスターを務める。