1年間、私がサファリの獣医師になったきっかけや仕事を通して感じていることをつづってきた。

 私が日々過ごす中で本当に大事に思っているのは、とにかく自分が好きなことを見つけ、それと真剣に向き合うことである。好きなことに対して興味は尽きないし、学んでいくことも苦ではない。

 大好きな動物たちと出合い、獣医師を目指すようになった。大好きな動物園の思い出から、現在サファリパークで働いている。動物園や水族館は獣医師の募集が少ないため、大学を卒業してからずっとサファリで働いていられることは幸運でもあり、本当にうれしい。

 周りの人たちにとても恵まれていることも実感する。大分県のサファリに就職が決まったのは、実習時代にお世話になった先輩獣医師の存在があったからだ。群馬サファリに転職が決まったきっかけも、今でもつながりのある大学時代の恩師のおかげである。獣医師として、動物園で働く者として、さまざまな悩みにぶつかるたびに多くの先輩が相談に乗ってくれた。だからこそ、大好きなサファリで仕事を続けることができている。

 趣味では自然の中で遊ぶことが大好きだ。元々ダイビングや山登りをしており、自然の大きさを感じてリフレッシュし、生き物との出合いにウキウキしている。知り合いが全くいない群馬に来たが、「一緒に山へ行きましょう」と言っていると、自然と山登りの仲間ができた。そのおかげで、夢だった富士山にも登頂することができた。山頂で御来光を見たときの感動は忘れられない。

 「山が好きなら、ぜひ」と誘われ、渓流釣りなど知らなかった遊びを教えてもらうこともあった。さまざまな人たちとの出会いによって興味の範囲が広がり、やりたいことがどんどん増えていくのがとても楽しい。仕事でも趣味でもたくさんの人に助けてもらい、意見を交わし、苦労もしつつ、全てを真剣に学び、楽しんできた。

 もう一つ大切にしていることがある。私は本当にたくさんの先輩に恵まれ、ここまできた。そんな先輩たちに恩を返すことは100パーセント無理だと思うし、そう宣言している。でもその分、しっかり「恩送り」をしていきたいと考えている。自分がしてもらった以上のことを後輩たちにしてあげたいし、伝えていきたい。

 まだまだ未熟な身だが、「これが好きだ」ということを積極的に発信することで、やりたいことは実現できると感じている。そしてその中で、多くの人とのつながりができることがとてもうれしい。これからも可能性を広げていきたい。



群馬サファリ・ワールド獣医師 中川真梨子

 【略歴】獣医師として九州のサファリパークに約4年勤務後、2015年7月、群馬サファリ・ワールド入社。動物の健康管理や治療を担う。北九州市出身。麻布大卒。

2021/10/26掲載