動画を上映しながら、ガイド役となって盛り上げる(右から)大畠さん、生形さん=10日、渋川市赤城町の「実里」

 遠出が難しい高齢者らに旅行気分を味わってもらおうと、元バスガイドの大畠恵美さん(45)=群馬県渋川市=と生形善江さん(45)=伊勢崎市=の2人が、バスツアーをイメージした観光動画を作るボランティアを始めた。「なつ旅 Cue(キュー)」と名付け、群馬県内の観光地を題材にした30分の動画を制作。高齢者施設にDVDを提供したり、上映しながらガイド役となって盛り上げたりする。今後は観光地の人にも出演を募るなどして活動を広げたい考えだ。

 今月10日、渋川市赤城町の住宅型有料老人ホーム「実里(みのり)」(角田明美代表)で、65~98歳のデイサービス利用者25人を前に、水上温泉(みなかみ町)などを案内する動画を上映。2人は利用者に「町の木材を使っている楽器とは?」「JR土合駅の階段は何段?」といったクイズを出したり、ご当地ソングを口ずさみながら体を動かしてもらったりして喜ばれた。

 利用者の1人、石北強子さん(98)は「最高に楽しかった。水上温泉には、もう何十年も行っていないから懐かしい」と目を細めていた。

 動画は、2人がバスガイドとしての経験を生かして制作。途中で飽きてしまわないようクイズや歌を挟むなど趣向を凝らす。バスツアーの雰囲気を演出するため、伊勢崎市の観光バス会社「ビーエムバス」の協力を得て、実際に走行する観光バスの車窓からも風景を撮影したという。

 2人は新卒でバスガイドになった際の同期。「たとえコロナ禍が落ち着いても外出できない人はいる」との思いを抱き、1月にボランティアで高齢者施設向けの動画作りを開始した。動画をDVDにして、これまでに伊勢崎市や前橋市、みどり市などの施設に提供している。

 既に完成した動画は、水上温泉と伊香保温泉(渋川市)の2本。2人は「スキルを生かし、飽きずに楽しめるよう作っている。今後は観光地の人など、幅広い年代の人にも動画に参加してもらいたい」と話している。活動などに関する問い合わせは大畠さん(☎090-2199-2794)へ。