すっかり忘れていた。書かなければならないことがあったのだ。読者の皆さまから見たら、いまいち不明瞭であろう、私たち「地域おこし協力隊」についてである。

 今回は地域おこし協力隊の概要と、協力隊制度をより良い形で今後につなげるにはどうしたらいいかを思案した。協力隊は国の税金を使った制度である。賛成反対問わず、多くの方に関心を持ってもらいたいと思う。

 まず、総務省のホームページによると「地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に移住して(中略)『地域協力活動』を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組み」となっている。要するに都会から地方へ人の流れをつくりたいということだろう。

 地域協力活動というのは、市町村によってさまざまで、1次産業系や観光PR系、私のようなものづくり系、特に設定されていないフリーミッションというものもある。協力隊は現在、全国で約5500人が活動中で、2024年度には8千人に増やすことが目標とされている。ちなみに本県では約100人が活動している。

 せっかくなので経費についてもお伝えしよう。協力隊に支払われる報償費などの上限は年間270万円で、活動に要する経費の上限が同200万円(協力隊が自由に使えるわけではない)。合わせて上限が年間470万円となっている。3年の任期を満了すると、1人当たり最大で1410万円ということになる。それが8千人分になると…。

 前置きが長くなったが、私が言いたいことは一つだけ。「協力隊制度はガッツリ税金もかかっているのだから、関わる人は漏れなくやる気を出していこうよ」ということだ。

 実は、行政や受け入れ先と意思疎通がうまく図れず、協力隊が立ち行かなくなるパターンは少なくない。理由としてよくあるのは、行政が深く考えず協力隊を呼んでしまった結果、放置・飼い殺し状態になってしまうパターンだ。また、受け入れ団体がアルバイト同然の扱いしかしてくれず、任期後のビジョンが見えないというケースもある。

 いずれにしろ、協力隊を迎えると、当然ある程度の手間がかかる。それができないのであれば、協力隊制度を利用しなければいいのだ。安請け合いは互いのためにならない。そして、任期後を見据えない協力隊自身も失敗の原因になる。ベクトルが定まっていないのだから活動が中途半端になってしまう。

 この制度をより良くするには、ただ人数を増やすのではなく、関わる人の目的や目標を一致させ、全員が同じ方向を向くことが必要だろう。

 創作こけしの技術継承が目的の私自身は、とてもよくしてもらっている。成功例となれるよう精進したい。



渋川市地域おこし協力隊員(創作こけし技術習得・継承) 大野雄哉 渋川市

 【略歴】専門学校を出てからエレキギターメーカーに勤務後、2019年9月から地域おこし協力隊員として活動。作品をインターネットで販売している。東京都出身。

2021/09/01掲載