ロシアによるウクライナ侵攻を機に、国内外で安全保障に関する議論が盛んになっている。中国が海洋進出を強め、北朝鮮がミサイル発射実験を続けるなど日本を取り巻く環境も刻々と変化している。

 防衛費を増額すべきかの質問に対し、参院選群馬選挙区(改選数1)に立候補した5人のうち、無所属新人の白井桂子氏(60)=立憲民主党推薦、共産党新人の高橋保氏(64)の2人が増額に反対、他の3人は賛成するとした。

 政府は基本的な考えを示す骨太方針に「防衛力を5年以内に抜本強化」すると明記し、岸田文雄首相は防衛費の「相当な増額」に決意を示している。

 白井氏は「ロシアのウクライナ侵略を口実に防衛費増額の意見が散見される。防衛予算を大幅に増やすことは軍事大国化を目指すものであり危険な主張と考える」と批判した。高橋氏も「防衛費を増やせば想定する相手の国も軍事費を増やし、危険が増すことになる」と近隣諸国との軍拡競争になる危険性を指摘する。その上で「軍事一辺倒でなく、外交を重視すべきだ」と主張した。

 一方、自民党現職の中曽根弘文氏(76)=公明党推薦=は「中国の軍事増強、北朝鮮の核・ミサイルの脅威、ロシアのウクライナ侵略など安全保障環境」の激変を指摘しつつ「防衛力の抜本的な強化が抑止力などを高めるために必要」と訴える。政治団体「参政党」新人の新倉哲郎氏(43)は「現状では足りない」と指摘。NHK党新人の小島糾史氏(46)は「アメリカに頼らず自国民を守れるだけの防衛力は必要」とした。

 防衛力強化を巡り、岸田首相は相手領域内のミサイル発射基地などを破壊する敵基地攻撃能力を言い換えた「反撃能力」の保有を含め、あらゆる選択肢を検討することを表明している。

 小島、中曽根両氏は「反撃能力」を保有すべきだと回答。小島氏は「あくまで反撃であり、自国民を守るための抑止力として必要」とした。中曽根氏は「諸外国も防衛力強化の努力を重ねている。わが国も厳しい安全保障環境に対応し、自国防衛の意思をしっかりと示すことで抑止力を高めることが必要」と理由を記した。

 白井、高橋両氏は反対で、高橋氏は「日本の安全を脅かす。軍事ではなく、戦争をしない国として外交を強めていかなければならない」と訴える。白井氏は「先制攻撃を可能にする方針であり危険なものと判断する。専守防衛は歴史的教訓も踏まえ絶対に堅持すべき」とした。

 「どちらでもない」を選んだ新倉氏は「ミサイル基地という限定に絞らず、あらゆる範囲、可能性を考慮する議論が必要」と答えた。