私たちは昆虫由来食品への理解を促し、将来の代替タンパク質市場を創造していくために、製品を販売するだけでなく、啓発イベントや食育活動といったさまざまな取り組みを展開しています。

 今回はその中の一つ、「コオロギレシピグランプリ」というイベントを紹介したいと思います。これは、次世代タンパク源として話題になっているコオロギパウダーを希望する人に無料で配り、それを使った料理やお菓子のレシピを考案して応募してもらうオンライン参加型のレシピコンテストです。初めて開催した昨年は500人の参加があり、400近いレシピが集まりました。優れたレシピには、コンテスト協賛各社による審査を経て、協賛品が贈られる特典もあります。

 イベントには、(1)コオロギパウダーを実際に使ってもらう機会をつくることで、昆虫食品原料に対する消費者の理解を促す(2)考案したレシピを一般消費者である参加者本人の会員制交流サイト(SNS)から発信していただくことで、より広い消費者層に知ってもらう(3)レシピを集積し、コオロギパウダーを使った加工食品への利用の可能性を広げる―の三つの狙いがあります。

 昆虫由来食品が話題になっていることは多くの方がご存じですが、まだなじみがなく、どこでも手軽に買えるほど一般的な食品とは言えません。実際に食べていただき、その食材としての感想を消費者目線で直接発信してもらうことで、新しい食品への信頼や興味が少しずつ広がるのではないかと期待しています。

 今、この食品に関心を持つ消費者は、未来の市場をつくるアーリーアダプターとなる方です。ユーザーを起点とした情報は、私たちが直接発信する情報よりも消費者に届きやすいという特徴があります。昨年のイベントでは、「虫は苦手だけどパウダーは抵抗感が少なく、料理に使ってもおいしかった」「子どもが興味を持って自分でお菓子を作ってくれた」などの評価が、SNSを通じて参加者の周りに広がっていったようです。

 レシピ開発についても、会社のメンバーだけでは新しいアイデアが出にくいのですが、料理やお菓子作りが得意な皆さまから知恵やヒントをいただけるのでとても有益です。実際、自社製品の開発や食品メーカーへの提案などに大いに役立っています。

 第2回コオロギレシピグランプリを8月末まで開催しています(パウダーの無料配布は7月末まで)。今話題の次世代タンパク源。皆さんだったらどのような食べ方を提案しますか? 私たちと一緒に未来の食について考えてみませんか? ぜひこの機会に手に取って試していただけるとうれしいです。



フューチャーノート社長 桜井蓮(前橋市関根町)

 【略歴】高崎経済大発ベンチャーで、昆虫食品を手掛けるフューチャーノート社長。起業は同大在学中で、現在は同大大学院在学。新潟県出身。佐渡高―同大卒。

2021/7/23掲載