新型コロナウイルスの感染拡大によって、日常が大きく変化してから1年半が過ぎました。ワクチン接種が始まるなど収束が期待される話題もありますが、先が見通せない状態が続いています。

 群馬の地酒などのお酒業界は、大人数での宴会自粛、飲食店への時短営業・休業要請によって大きな打撃を受けています。飲酒機会の減少は、飲食店だけでなく酒販店や酒蔵、さらにはコメ農家にも影響を与えていて、コメの生産量の調整にまで話が及んでいるそうです。

 一方、飲み手である消費者も、大変つらい日々を過ごしていることでしょう。お酒の席をできるだけ自粛していることから、歓送迎会を盛大に行えなかったり、親しい人たちと集まれなかったり、新たに出会った人とのつながりを深くするすべを封印されたり。一体いつまで我慢すればいいのかと疲弊している人も多くいらっしゃると思います。逆に飲み会が減って良かったという人もいるかもしれません。

 お酒はコミュニケーションツールとして大きな役割を担っていると思っています。人と人が集まり、お酒を飲みながら語り合い、時にはにぎやかに、時にはほっこりと楽しい時間を共に過ごす。そう願い、群馬SAKE TSUGUは「群馬の地酒を通して人と人が交わり、笑顔があふれ、幸せな世界をつくる」をビジョンの一つに掲げています。

 感染防止のためリアルの場で大人数が集まれない状況を踏まえ、何かできることはないかと、蔵元の皆さんと毎週日曜の夜、ユーチューブでライブ配信を行い、オンラインで交流しています。オンラインということで場所や時間の制約が緩くなり、遠方にいる人やなかなか外出できない人とも交流できるなど、コロナ前にはなかった新たな展開も実感しています。

 また、この逆境に知恵を出し合い、力を合わせたコラボ企画として、お試し少量サイズのセット商品販売や量販店による地元応援キャンペーン、飲食店との連携などもみられます。

 未知なるコロナ禍で、誰もが最善最適だと思える方策はありません。それぞれの立場や考え方、価値観があり、さまざまな意見がありますが、この困難を乗り越えようという思いは同じだと思います。その共通の思いを再認識して、一緒にこの時を切り抜けましょう。

 群馬SAKE TSUGUも微力ながら、皆さんが楽しく地酒を飲んでみようと思えるような方策を練り、地酒の消費量や価値を上げていきたいと考えています。早くコロナが収束し、大勢で集まり、顔を合わせてワイワイ楽しく飲みたいものですね。



群馬SAKE TSUGU代表 清水大輔 前橋市文京町

 【略歴】2004年県庁入庁。産業経済部当時に地酒を担当。18年度に退職後、19年10月に地酒をPRする群馬SAKE TSUGUを立ち上げ。一橋大大学院修了。

2021/07/19掲載