夢を実現するための第一歩は進学し、専門的な知識を学ぶことにある。受験・学費・生活費に多額の費用がかかるが、実り多い人生を送るための投資と考えよう。家計負担は奨学金を利用すると軽減できる。日本学生支援機構(JASSO)や、自治体、各種団体による制度があり、企業の返還支援制度も増えてきた。日本ファイナンシャル・プランナー(FP)協会群馬支部の横塚卓郎さん=みどり市=に、仕組みや注意点を聞いた。

日本ファイナンシャル・プランナー(FP)協会群馬支部 横塚卓郎さん

「返済」考えて借りる

JASSOの奨学金=表=は給付型と貸与型がある。本人の学力と世帯の家計基準を満たす必要があり、給付型は学ぶ意欲も求められる。2020年度から始まった給付型の「高等教育修学支援制度」の対象校は、文部科学省のホームページで確認できる。採用候補者は進学後、入学金と授業料の減免申請もできる。給付型と貸与型一種・二種は原則的に併用可能。同省は新型コロナ下でアルバイトの減少や家計の急変で経済的に困難な学生の支援制度を継続している。入学後の成績悪化で支給停止になる可能性もある。計画的に勉強に励むことが大切だ。

 

返済は貸与終了後7カ月目から始まり、最長20年で完済となる。返済方式で期間や月額が変わり、延滞すると延滞金が生じる。長期滞納すると、クレジットカードの作成や住宅ローンなどの借り入れができなくなる可能性がある。返済の都合がつかない場合、減額や期限猶予などの救済制度が利用できる。
具体的な返済はJASSOホームページの「貸与・返還シミュレーション」で試算する。横塚さんは「大金を借りることになるので、特に卒業後のライフプランをある程度想定し、社会人生活と現実とが乖離しないよう、保護者とよく相談して無理のない返済計画を立てて」と助言する。

入学前の資金準備を 

奨学金で賄えない受験料・入学金・生活準備費は、中央労働金庫の「入学時必要資金融資制度」を利用する。JASSO第一種・第二種の「入学時特別増額貸与奨学金」(10~50万円)もあるが、入学前の貸与ではないので注意する。
教育ローンは資金不足を補う手段の一つ。国(日本政策金融公庫)のほか、民間金融機関の商品もあり、パソコンの購入などに幅広く活用できる。ただし教育ローンは保護者が借り主で、適用利率の幅が大きく、在学中に返済が始まることを考慮して利用する。入学準備費や奨学金・教育ローンの仮審査は、高校3年の夏休み時点で終えていることが理想だが、焦らず自分に合う制度を活用しよう。
JASSO以外の奨学金制度は、インターネットで「群馬県 奨学金」「奨学金 .Net」と入れて検索すると確認できる。福利厚生として従業員のJASSOの奨学金返還を一部負担する制度を導入する企業もある。横塚さんは「奨学金は今の自分が未来の自分からお金を借りること。学ぶ意欲を持ち続け、未来の自分が実り多い人生を送れるように能力を高めていってほしい」と声援を送る。