引きこもりの解決法について、2回に分けて伝えたい。解決方法は人それぞれ異なるが、基本となるところは同じだ。今回はその基本部分を話したい。

 まず、解決への第一歩は「人に頼ること」。他人に迷惑をかけられない、恥だと考える人もいるかもしれないが、よく考えてほしい。社会で生きるということは、さまざまな人に頼りながら生きるということだ。社会とつながるためには人に頼ることが解決に向けた一歩として必要不可欠である。

 しかし、ここで気を付けなければならないことがある。それは必ず「理解のある人」に頼るということ。そこを間違えないことだ。例えば、引きこもりの問題に対する理解が乏しく、誤解を持った人に頼った場合、その人の言葉に傷ついてしまうかもしれない。ある程度の理解があっても支援につなげられなければ、結局、当事者にとって不本意な結果を招いてしまう。従って、まずは専門の支援機関や支援者、健康に問題がある場合は医師らに頼ることが望ましい。

 次に、支援が始まり問題解決へと進む中で基本となるものがある。それは「できることの積み重ね」と「諦めないこと」だ。

 相談に訪れる当事者やご家族の多くは解決に向け、性急で大きな変化を期待するが、それに応えることは難しい。なぜなら、まれなケースもあるが、ほとんどが解決までは長い道のりになるからだ。

 例えば、引きこもりの方たちが就職することで問題が解決するかというと、そうではない。就職という大きな環境の変化に対し、本人の現状とのギャップが大きければ無理をすることになり、長くは続けられない。

 学問やスポーツを一朝一夕に習得することができないように、問題解決に向けてできることは、社会とつながる自らをつくるための「できることの積み重ね」しかない。

 支援者の役割は、当事者やご家族と共に、本人の希望に沿いながらも無理をさせない「できること」を探し出し、道をなるべくスムーズに進めるよう支援することだ。ただし、あくまでそれを実行し道を進んでいくのは当事者やご家族である。それは地道で、時には忍耐が求められるかもしれない。疲れたら立ち止まってもいいが、諦めないことが求められる。

 人に頼りながら、小さなできることの積み重ねを諦めずに続けていく。引きこもりの解決法は、生きることにも通じるのかもしれない。実際、多くの引きこもりの方たちに感じるのは、自分の生き方や在り方が分からなくなり、立ち止まっている姿だ。

 次回は、この問題解決の目的、解決法がそれぞれ異なる理由や、生き方を模索する方法などを話したい。



自立支援スペース「ワンステップ」代表 中沢充宏 安中市郷原

 【略歴】2014年にワンステップを立ち上げ。20年3月まで富岡市の障害者就労移行支援事業所勤務。エミューの研究を経験。元警察官。渋川市出身。東京農業大卒。

2021/07/01掲載