6月に全国初の40度超を観測した群馬県伊勢崎市の公園。子どもたちが気持ちよさそうに水遊びをしていた=6月25日午後4時半ごろ

 酷暑が連日続く中、環境省と気象庁は、29日の群馬県内に今季初となる「熱中症警戒アラート」を発表した。25日には伊勢崎で40.2度を観測し、6月の最高気温の観測記録として全国で初めて40度を超えた。それでも、この日は発表されなかった。あれほど暑かったのに、なぜ? 理由を前橋地方気象台に聞いた。

 アラートの発表は、熱中症による死者、救急搬送者数の増加傾向を踏まえ、2021年に全国で運用が始まった。熱中症の危険性が極めて高くなると予測された場合に、全国を58に分けた府県予報区などの単位で注意を呼びかけ、予防のための行動を促す。気温や湿度、日射量などから推定する暑さ指数が「33」を超えると予測されると、前日の夕方や当日の朝に発表・更新される。

 環境省が公開するデータから、25日の実際の暑さ指数を振り返ってみる。前橋や上里見(高崎市)、桐生、伊勢崎など南部を中心に6観測地点で、日中に「31」を超えていた。31以上は、外出をなるべく避けるなどの行動が促される「危険」の状況。館林では午後2時に33.2、同3時に33.1と、アラートの発表基準となる33を超えていた。

 25日の群馬県内の最高気温は、伊勢崎が全国1位、桐生(39.8度)が同2位、前橋(39.5度)が同4位、館林(39.4度)が同5位、上里見(38.6度)が同8位と、5観測地点が全国の上位10観測地点に入った。

 こうした状況でも、アラートは発表されなかった。この日に関東で発表されたのは、茨城県(古河で全国7位の38.7度など)と埼玉県(鳩山で同6位の39.2度など)だけ。群馬県内は広い地域で身の危険を感じるほどの気温上昇となり、上毛新聞のまとめで25日は午後6時までに34人が熱中症の疑いで搬送された。

 発表されなかった背景に、どのような判断があったのか。前橋地方気象台の担当者によると、暑さ指数を予測する段階で群馬県内は、指数の算出で最も大きな要素となる湿度がそれほど高くならないとみたため、発表に至らなかったという。ただ、実際には気温が予想よりやや高くなったことから発表基準を超過したという。担当者は「予測段階では発表するかどうか際どい指数だった」と振り返る。事前に発表する現状の運用方法では、当日実際に基準を超えても発表されることはないという。

 酷暑が続く中、気象台は毎日の予報の発表の際に熱中症への警戒を呼びかけている。担当者は「これほど猛暑日が続いていると、体力的に厳しくなる。アラートの発表の有無にかかわらず、十分注意してほしい」としている。

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