御荷鉾山不動尊の本堂前でかつてのにぎわいに思いをはせる小柏さん(右端)や法人役員ら

 1603年創建とされる藤岡市三波川の寺「御荷鉾(みかぼ)山不動尊」を維持・管理する宗教法人が解散する方針を固めたことが分かった。新たな引き取り手を探しつつ、見つからなかった場合の建物や土地の扱いを財務省関東財務局と協議している。同寺を巡っては170年以上前から伝わり、毎年春の例大祭で披露されてきた獅子舞の保存会も活動継続を断念。いずれも担い手の高齢化や後継者不足が背景にあり、地域の文化財や伝統芸能への影響が深刻化している。

170年超続く獅子舞保存会も継続断念

 法人の代表役員を務める小柏克巳さん(77)によると、以前から役員らの高齢化や後継者不足のため、同寺の維持や管理を断念する議論が持ち上がり、今年3月の役員会議で解散の意向を固めた。小柏さんは「地元住民に負担をかけ続けるわけにもいかない」と話している。

 解散手続きを代行する行政書士の林田知子さん(73)=高崎市=によると、宗教法人の解散は上部組織に吸収合併されるケースがほとんどだが、同寺は単立系で上部組織がないため、任意解散となる。現在は寺周辺に解散の意向を掲示するなどして周知しており、7月末までに異議申し立てがなければ、県知事の認証を得るための手続きに入る。県によると、県内の宗教法人の解散で任意解散の事例はわずかという。

 解散後は林田さんを通じて新たな引き取り手を探しつつ、関東財務局への所有権移転を視野に本堂などの建築物を残すか、取り壊すか協議を進める。

 獅子舞は1843年に始まったとされ、戦時中に一時中断された後、地元有志が復活させた。だが、新型コロナウイルス感染症の影響で2年前の例大祭を中止。担い手の高齢化と後継者不足で存続が危ぶまれていたことを踏まえ、これを機に地元住民でつくる保存会が今後の活動を断念した。住民らからは理解を示す一方、3匹の獅子が太鼓をたたきながら力強く舞う姿を見る機会が失われ、残念がる声が上がっていた。

 法人解散について、小柏さんは「自分の代で終わらせたくなかったがやむを得ない」と悔しさをにじませながら、「歴史ある寺がすぐになくなるわけではない。これからも多くの人に足を運んでほしい」と語った。