7月10日投開票の参院選は厳しい暑さの中で舌戦が繰り広げられている。群馬選挙区には改選数1となった2007年以降で最多の5人が立候補しており、下がり続ける投票率の行方も気になるところだ。各陣営は無党派層への浸透も狙い、街頭演説や交流サイト(SNS)で盛んに投票を呼びかける。前回19年の県内投票率は過去最低の48.18%。県選挙管理委員会は若年層に照準を定めた啓発に力を入れ、投票率向上のための活動に大学生らが協力する。各地では、期日前投票所の確保など投票機会の拡充も進んでいる。

 「#投票に行こう」―。候補者の一人はこうしたハッシュタグを付け、フェイスブックに投稿している。「『自分の1票だけでは変わらない』と思うかもしれないが、選挙に行ったことのない人の票が集まれば結果は変わる」と陣営関係者。「投票は日本の未来を考えることや、自らが望む政策をかなえるきっかけになるはずだ」と訴える。

 別の陣営の幹部も「政策を発信し、有権者と対話をしていくことで、選挙への関心を高めたい」と期待を込める。

 参院選の県内投票率は13年が51.75%、16年が50.51%と下がり続け、初めて5割を切った前回は全国平均を0.62ポイント下回った。特に若い世代で低迷し、前回は年代別(抽出調査)で20代が30.40%、10代が30.14%だった。

 高崎経済大の学生団体「TCUE投票ファクトリー」は若い世代への啓発活動に取り組んでおり、代表の黒部駿介さん(21)は「これからを担うのは僕たちの世代。投票に行くことや、どの候補者と意見が近いのか考えることは大切」と強調。選挙期間中に大学内でビラやうちわを配り、選挙の周知に努めている。

 県選管は若年層をターゲットとした新たな取り組みを始めた。お笑い芸人のたかまつななさんが設立した民間企業「笑下村(しょうかそん)塾」と連携。本年度中に県内全79の高校に出向く予定で、政治の仕組みや投票の大切さを出前講座で伝える。4月にスタートし、7月10日までに50校で終わる見通しだ。

 渋川高で開いた16日の講座で、たかまつさんは「20代が全員選挙に行ったら、もっと若い人の意見が政治に反映されるかもしれない。社会を変える方法はいろいろあるが、一番簡単で一番良い方法が選挙に行くこと」と訴えた。

 各地では投票機会の拡充も進む。期日前投票所(移動式も含む)は前回から5カ所増の計94カ所。市役所や町村役場に加え、駅や商業施設などでの設置も広がる。県選管によると、28日までの期日前投票者数は前回同期比6%増の4万8300人。県選管は「出だしは好調。一人でも多くの人に投票に行ってもらいたい」と呼びかけている。