ニュースで毎日必ず目にする、はやりのウイルス。世界中の誰もが面食らったことかと思いますが、私もその一人として、自分に起きたことをシェアしようと思います。このご時世を生き抜く、誰かの心に寄り添えますように。

 新型コロナウイルスによって日本で1回目の緊急事態宣言が出ていた2020年5月。幸いにも、コロナウイルスには感染しませんでしたが、名前を付けるなら、うつ病とやらになりました。

 宣言で仕事がストップしてからの毎日はとにかく一日中不安で、起きられない、食べられない、かと思えば、仮眠、過食。心も体も栄養を吸収できていないので、みるみるうちに痩せていきました。

 心身相関なものって、名前を付けてもらわないと気付けないんだな、と思いました。気付けないからなるんだな、と。「何がどんなふうに不安なのか分からないのが不安」な毎日をひたすら送っていたら、あっという間に体調不良になってしまいました。

 自分が日々どのようにストレスを感じているか。こんな事態にならなかったら、ここまで真剣に考えることもなかったかもしれません。人によってさまざまな原因がありますが、私の場合、外から受けるもの(誰かの言動や出来事)と、自分の中で生まれるもの(考え方や自分の基準)との摩擦が原因でストレスを感じます。

 自分の状態を正しく把握できていないと、乗り越えていけなくなるタイミングが必ずきます。

 大丈夫だと思ってたけど、本心は違った。信じて疑わなかった心の中の鋼の部分が、鋼ではなかった。無意識に落ち込んだり、自信をなくしている。そもそも自分に全然自信がなかった―。

 私は今までよりもっと丁寧に向き合ってみて、なじみのなかった自分がどんどん浮き彫りになりました。不安要素によっていつもは土の下にある自分の根っこの部分が引っ張り出されてしまうのです。

 自分を大切にできるのは自分しかいない、というのは間違いないです。でも、それができない時もあります。私はうつになって、自分は駄目で、それが永遠に続く気がしていました。そんな時には、自分を大切にしてくれる他人が必要です。この人がいるだけで本当に違います。

 家族、友達、恋人、先輩、関係性は何でも良くて、そんな人が一人いるだけで、自分は駄目かもしれない、と思っても、幸せに生きていく権利があることを確認できます。当たり前にある権利ほど、自分にのまれやすいのかもしれません。心身共に落ちてる時の自分は、とても頑固で、大きくて、強いのです。

 人との距離がぎこちない今でも、ひとりぼっちで考え込まずに、助け合って、話し合って、その都度、この大きな波を乗り越えていけたら良いですね。



俳優 手島実優 前橋市

 【略歴】映画「赤色彗星(すいせい)俱楽部」「カランコエの花」、ドラマ「東京ラブストーリー」、農業系ユーチューブ「農Tube高崎」などに出演。前橋市出身。勢多農林高卒。

2021/02/04掲載