関東信越国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2022年1月1日時点の県内路線価を発表した。4618地点(住宅地、商業地、工業地)の標準宅地評価基準額の対前年変動率の平均はマイナス1.0%だった。下落幅は前年と同じで、下落は30年連続。新型コロナウイルスの影響で経済の停滞が続き、地方が中心市街地の景気低迷から抜け出せない中で、下落幅は全国で3番目に大きかった。8年ぶりに、県内9税務署管内の全ての最高路線価で上昇地点がなかった。

 群馬県内9税務署管内ごとの最高路線価で横ばいは前橋、高崎、伊勢崎、太田、沼田の5市と草津町の計6地点。下落は桐生、藤岡、富岡3市の3地点だった。

 最高は32年連続でJR高崎駅西口に近い高崎市八島町の市道高崎駅・連雀町線で、1平方メートル当たり46万円。商業施設が立ち並ぶ地点で、コロナ下で客足の減少が続くものの不動産需要は底堅く、2年連続の横ばいだった。前橋市本町2丁目の本町通りは、8年連続の横ばいで13万円。オフィスビルの空室率や賃料水準に大きな変化がなく、コロナの影響が比較的小さかった。都道府県庁所在地別では、8年連続の45位。46位は秋田市(12万5千円)、47位は鳥取市(10万円)。

 太田市は太田駅南口駅前広場で地価の上昇幅が一服し、横ばいの11万5千円だった。ただ、駅前ロータリーの整備や市街地の再開発により、地価は上昇基調にあるとみられる。

 いずれも3年連続で下落したのは、富岡市富岡の宮本町通りが2.4%マイナスの4万円、桐生市末広町の末広町通りが2.5%マイナスの3万9千円。中心市街地の空洞化に加え、富岡市は富岡製糸場の来場客の減少も響いた。

 横ばいから下落に転じた藤岡市藤岡の中央通りは2.5%マイナスの3万9千円。商業地の郊外分散化が影響したとみられる。

 都道府県別では、群馬県の対前年変動率は和歌山のマイナス1.3%、愛媛の同1.1%に続いた。同局管内6県(群馬、茨城、栃木、埼玉、新潟、長野)の平均は0.5ポイント上昇のマイナス0.2とコロナ禍からの回復が見られた。

 県内調査を取りまとめた不動産鑑定士の福田清隆氏は「コロナの影響は弱まっているが、群馬県の平均値上昇をけん引してきた高崎の再開発が一段落し、地方の下落分を打ち消せなかった。再開発事業が活発な他県との差が出たのだろう」と指摘する。