▼心優しい国王が倒れ、次期国王が即位すると国民の生活は一変する。税金は国民のために使われず、国は荒れ果てていく。状況を打開するため、政治を変える力を持つ「参政剣」を探す旅が始まる―

▼中高生向け主権者教育の教材「参政剣伝説」は、こんな設定で進む。特殊な力を帯びた剣を探す謎解きゲームと、その舞台となる国の代表を選ぶ模擬投票を通して、選挙の重要性を学ぶ内容に仕立てられている。総務省が2019年度に作成した

▼全国的に各種選挙の投票率が低迷する中、未来の有権者に「主権者として自ら考え、投票することの大切さを訴える」(同省選挙部管理課)ことに主眼を置いたという。投票率向上へ、あの手この手と苦心する様子がうかがえる

▼投票率の低迷は本県も例外ではない。多彩な選挙啓発が重ねられているが、低落傾向が続く。19年の参院選群馬選挙区、昨秋の衆院選県内小選挙区とも有権者のおよそ半数が投票を棄権している

▼10日には参院選が投開票を迎える。群馬選挙区には5人が出馬し、物価高対策などを巡り主張を戦わせている。審判の日まで残り1週間。有権者の関心はどこまで高まるだろうか

▼国の進むべき方向を決めるのはわれわれ主権者たる国民である。そのことをぜひ貴重な一票を投じることで示したい。幸い今の時代、剣を探さなくても18歳以上には「選挙権」が与えられている。