全国大会での準優勝を喜ぶ鷹巣さん

 イタリアの大衆的歌曲、カンツォーネの全国大会「第15回全国カンツォーネ・シャンソンコンクール」で、群馬県桐生市広沢町の鷹巣幸司さん(71)が準優勝に輝いた。プロアマを問わず全国の実力者が競う中での快挙に、「自分をほめてあげたい」と笑顔をみせた。

 鷹巣さんは小学生の頃、姉に連れられて見た映画「忘れな草」をきっかけに、カンツォーネに夢中になった。数多くのテレビの歌番組に出演して優勝するなど活躍したが、18歳の時に母親が急逝。家業を継ぐため、東京進出と歌手への夢を断念した。

 その後、ペンションの経営や料理人、整体師など音楽とは無縁の人生を歩んだが、還暦を機に、妻の京子さん(71)から「もう一度やってみたら」と背中を押され、歌を再開した。

 2014年の同大会ではイタリアーナ部門で3位に入賞した。だが、再び歌手として軌道に乗り始めていた18年、左耳の難聴に襲われた。翌年には脳出血も患った。リハビリして歌えるまでには回復したが、現在も慢性的な頭痛など後遺症に悩まされている。

 今年の大会は5月に東京都内で開かれ、鷹巣さんはミルバの「愛遥(はる)かに」を歌った。後遺症を抱えながらの出場だっただけに、受賞に驚きつつ「辛さや痛みが消し去るほどうれしかった」と振り返る。自宅には17個のトロフィーが飾ってあり、「改めて歌との出会いに感謝。次も受賞するという目標ができた」とさらなる意欲をにじませた。