富岡製糸場のシンボル「煙突」。2025年度完了を目指して、修繕事業が進められる
経年劣化が進む煙突

 世界文化遺産の富岡製糸場(富岡市)のシンボルとして親しまれている煙突の長期保存に向けた修繕費用を募るクラウドファンディング(CF)について、市は5日、寄付金が目標額の8千万円に到達したと発表した。これを受けて来年度中に着工し、2025年度中の整備完了を目指す。コロナ下の入場者減に伴う見学料収入の落ち込みなどで停滞していた保存整備事業が前進した。

 同市で創業し、産業用機械や健康食品の製造販売を手がけるオリヒロ(高崎市)が、企業版ふるさと納税で1千万円を寄付し、目標額を超えた。富岡市出身の鶴田織寛社長は同日、市役所で開かれた受納式で「富岡が活性化され、人が集まる街になることを期待している」と話した。

 榎本義法市長は「多くの個人や法人から、寄付が寄せられ、皆さまの製糸場に対する思いを改めて感じた。寄付金を元にしっかりと整備に取り組みたい」と意欲を示した。

 煙突は1939年に建設され、直径2.5メートル、高さ37.5メートルの鉄筋コンクリート製。遠方から見えるシンボルとして市民や観光客らに親しまれる一方、ひび割れが複数確認されるなど経年劣化が進んでいる。地震や竜巻といった自然災害で倒壊する恐れもあり、市は優先して整備する必要があると位置付けていた。

 市は修繕費用を総額3億2千万円程度と見積もり、国、県の補助金を計2億4千万円と想定。市が負担する8千万円分を昨年12月からCFで募っていた。

 前日までの寄付金の総額は7030万6500円。内訳は市内の76の企業や団体、個人17人から計約2千万円、ふるさと納税サイトを使った298人から計約1500万円、企業版ふるさと納税を活用した38社から計約3500万円。