移住して4年目。一般的に移住のきっかけになるのは仕事で、もしくは家族のためと言われていました。しかし、これからは人生の質を求める時代になることが予想されます。新型コロナウイルスの影響により、どこで働きどのように生活していくのかを見直す機会になりました。

 私自身は「スノーボードをライフスタイルにできる環境で生きる」という人生の指針を定め、さまざまな場所を検討した後、沼田に移住することを決めました。実際に移住を考え、全国で検討しながら沼田に決定するまでは2年、二拠点生活をしていた期間を合わせると9年かかっています。

 冬の期間だけゲレンデのある場所に住む二拠点生活を始めた時は、まさか大阪を離れる選択をするとは思っていませんでした。何年か繰り返すうちに「いつかはゲレンデにアクセスしやすい場所で住めたらいいなあ」と考えるようになりました。各地を訪れる中、移住を意識した2年間で夏も住むことに関して最も臨場感を持つことができたのが沼田でした。

 わが家はスノーボードが移住を決定するキーワードでした。同じようなきっかけで移住する人が増えるのではないかと考えられます。利根沼田エリアに移住する可能性のある人を想像すると、登山やキャンプなどアウトドアの趣味がある人でしょうか。家庭菜園を行いたい、温泉が好きという人もこのエリアを愛して移住する可能性が高いです。

 実際に移住し、その地域で定住するために必要なことがあります。人と人との関わりや同じ環境などを共有できるコミュニティーがあること、継続できる仕事があること、そして住む場所が好きなことです。

 私自身もスノーボードをきっかけにつながった友人がいることが住み続ける中でとても心強いです。SNSからつながる人がいるのも現代的ですね。また夫と2人ですが、私には家族がいることは大きいです。「1人ではない」ことがどんなに心強いかということを実感します。

 継続できる仕事という点では雇用されることだけではなく、起業や兼業できるのが田舎の良さでもあります。兼業農家や登山ガイド、ラフティングガイドなどの自然を生かした仕事もあれば、起業することも選択できます。沼田は毎年起業塾が開催されており、アドバイスを受けながら準備できるチャンスがあるのはとてもいいと感じます。

 沼田って「ちょうどいい田舎」です。都市圏からもアクセスがよく、身近に自然も楽しめます。車を運転することができれば、比較的住みやすい場所です。賃貸物件も多いので二拠点生活も始めやすいです。ちょっと住んでみる、から愛着がわく人が増え、地域を盛り上げる人が増えるのではと期待しています。



プロスノーボーダー、看護師 松井英子 沼田市戸鹿野町

 【略歴】2011年からスポンサーを獲得し、本格的にプロ活動を開始。16年冬に本県へ移住。大阪府出身。大阪市立桜宮高―国立大阪医療センター付属看護学校卒。

2020/09/05掲載