練習に熱が入る農大二高吹奏楽部のメンバー

 9日に東京・国立競技場で開かれるラグビーの日本対フランス代表戦の試合前のセレモニーで、農大二高(高崎市)の吹奏楽部が両国の国歌を演奏することが決まった。国立競技場の改装後、初のテストマッチとなり、大役を担う生徒たちが本番に向けて熱心に練習に打ち込んでいる。

 コロナ禍で演奏の機会が減った音楽関係者に演奏の機会をつくろうと、日本ラグビーフットボール協会(東京都)が公募企画を実施。国際教育に力を入れている点や、全国大会出場を目指すラグビー部に向けて「エールを送りたい」との応募理由などから、同校が選ばれた。2021年度の全日本マーチングコンテストで金賞に選ばれたことなど、過去の実績も考慮されたとみられる。

 試合当日に向けて、生徒は「君が代」やフランス国歌の練習に励んでいる。楽器編成の都合で、部員約160人のうち、今回演奏するのは2、3年生計40人。普段とは異なる屋外競技場が舞台となるため、スタンドの観客まで演奏が届くことなどを意識する。重圧を前向きに受け止め、息を合わせた演奏を目指す。

 トランペット担当の須田一輝部長(17)は「緊張感はあるが、大勢の前で演奏できる楽しさも感じる。国歌への思いを演奏に込め、選手にエールを送る良い演奏をしたい」と、クラリネット担当の大竹陽依副部長(17)も「人生で一度立てるかどうかも分からない舞台。日本を代表して良い演奏をできるよう頑張りたい」とそれぞれ気合十分だ。練習ではフランスから同校に留学している留学生に演奏を聴いてもらい「お墨付きも得た」という。

 同部顧問を20年以上務める樋口一朗教諭(59)にとっても、国際試合での指揮は初の経験。「大役でうれしさと緊張が半分ずつ。失敗は許されない」と気を引き締める。その上で「ピッチに立たせてもらうのは名誉なこと。思い切り演奏する」と強調し、生徒には「この経験を通じ主体性を育んでもらえたら」と期待を込める。