渋川市や県が市外や県外からの観光客や来渋、来県された方々を迎えるに当たり、おもてなしとして大切なのは、きれいなまちに迎えることだと思います。ごみが落ちていない、雑草も除草されているきれいな街は、住んでいる人も気持ちいいし、訪れた人も気持ちよく過ごせるのではないでしょうか。

 第一印象は二度と変えることはできません。

 2020東京オリンピック、パラリンピック開催が2021年に延期されました。その時、胸を張って迎え入れることができるよう、一人でも多くの方々が気付き、動きだせば、その歩みは大きく加速するのではないかと考えます。一人の人間の力は小さいかもしれませんが、一人一人の集合体は大きな力になっていくと思います。

 長野県小布施町はこのような考え方で、人口1万2000人の街を年間120万人の観光客を迎える街にまで成長させました。その立役者の一人が、セーラ・マリ・カミングスさんです。

 セーラさんは1995年に来日し、98年の長野オリンピックで通訳ボランティアとして活動しました。お世話になった小布施町に「恩返ししたい」。こんな気持ちがあったのだと思います。

 セーラさんは一人で街中清掃活動を始めました。賛同した地元の方が協力するようになり、あれほどの観光都市へと発展することになります。たった一人から始めた街中清掃が基礎になり、さまざまな観光施設づくり、町おこしイベントにつながったのです。

 セーラさんらは次から次へと企画提案しました。第3回国際北斎会議の誘致、「小布施ッション」、文化サロンの企画・運営、「1530」(市ごみゼロ=2週間ごとにごみを拾い続けるボランティア活動)の展開、「小布施見(ミ)に(ニ)マラソン」の開催などです。これらにより、街をブレークスルー(活性化)したのだと思います。

 以前、上司からセーラさんの話を伺い、興味を持っていたところ、3年前、桐生市の鉾座で開催された「かかあ天下―群馬の絹物語―IN桐生」でセーラさんの基調講演、パネルディスカッションを聴く機会を得ることができました。講演後、いろいろなお話をさせていただき、共感したことを覚えています。

 自分の住んでいる街が元気で、活性化していれば、誰もが気力も湧いてくるし、勇気も出ると思います。

 「この地域に住みたい」「住んで良かった」。そう口にする方は多いと思いますが、一人一人が身近なこと、できることから行動してみてはいかがでしょうか。

 私の地元でも、定期的に街中で、ごみを拾う在住外国人の方、草むしりをしている住民の方を見かけます。

 渋川広域圏(渋川市・吉岡町・榛東村)いい街ですよ。



渋川広域消防本部消防長 福田浩明 渋川市石原

 【略歴】1981年、渋川広域消防本部へ入職。同本部の救助隊長や総務課長など多岐にわたる業務を経験し、2018年4月から現職。前橋商業高卒。

2020/08/12掲載