私が女子高に入学したのは2007年のこと。中学では式典やテスト期間以外は、指定のジャージーで過ごせた。高校では毎日、制服のスカートを履かなければいけないのかと思うと憂鬱(ゆううつ)だった。スカートの下にはいつも体操着のハーフパンツを履いていた。

 ふと、生徒手帳を眺めていると、秋冬は「スラックス可」という文字を見て、すぐに紳士用のスラックスを買った。秋はスラックス、春になると渋々スカートを履いた。周りの友人も「ズボンの方が似合うね」と言ってくれた。

 「女の子」として扱われること、周りから女性としての将来、男性との結婚や出産といった話題を自身に結び付けられることが苦痛であった。ほんの一部の友人にだけ「女の子が恋愛対象であること」を打ち明けていた。

 友人の中にも、レズビアンやバイセクシュアルかもしれないなどといった人もいたし、自分と同じように、男性らしい髪形、格好をしており、トランスジェンダーではないかと思う人もいた。女子しかいない空間だから男子・女子に分けられる苦痛もない。ある意味「人間」として扱われていたように思う。

 前置きが長くなったが、今回お伝えしたいのは学校の制服や校則について。性的指向や性自認に係る児童生徒への対応ということで、15年に文部科学省から小中高校に通知が出されており、自認する性の制服の着用や髪形についての対応が記載されている。

 最近では、県内でも制服変更をしてもらえたといううれしい話もあるが、変更までのプロセスが大変だった話も聞く。「わがまま」「あなたはトランスジェンダーではない」と否定された、本人の確認なしに他の生徒の前で教師にアウティング(セクシュアリティーの暴露)をされ学校に行けなくなってしまったというとんでもない話もある。

 学びたいのに制服が、学校が、性別を押し付けてくる。しんどい。そんな声を聞くたびに、一緒に悲しみ一緒に怒ってきた。理解し協力してくれる教師や親がいるかどうかで学校生活が変わってしまうのだ。

 全国的には、制服が選べるようにと要望書に署名を募って教育委員会へ提出する動きや、性別に関係なく制服を選べるようにする制服選択性の導入が、地域ごとや新設される学校などに広がりつつある。ただ、女子生徒に対するスカートとスラックスという選択肢は増えているが、男子生徒がスカートを選べるということは少ないのも課題だ。

 そもそも男子はなぜスカートを履いてはいけないのだろう。「当たり前」という理由のない社会通念に縛られていないだろうか。男子制服、女子制服ではなく制服A・B・C…。子どもたちが自分らしい制服を選べて、楽しく学校生活を送れるようになってほしい。



セクシュアルマイノリティー支援団体「ハレルワ」代表 間々田久渚 渋川市石原

 【略歴】2016年にハレルワ代表就任。戸籍と心の性が一致しないトランスジェンダーの当事者。座談会や講演を行う。太田市出身。太田女子高―群馬大教育学部卒。

2020/08/09掲載